現在、日本で大人気の韓国女優と言えば「チン・セヨン」さんでしょう。 その名前は知らない人でも、「オクニョ 運命の女(ひと)」「不滅の恋人」の主役の女優さんと言えば、「あ~あの人か!」と気づかれる方も多いでしょう。
チン・セヨンさんは現在、同じく朝鮮王朝時代を背景とした主演ドラマ「揀択(カンテク)・女たちの戦い」が、地元韓国でもにんきだとか。 特に、日本では現在放送中とうい事もあり「不滅の恋人」を、毎週欠かさず視聴されている方も多いと思います。
『不滅の恋人』に見る史実!?実在モデルは誰なのか調べてみると?
まずは、実際に登場している俳優さんの画像を元に、史実のモデルになった人物を調べてみました!
韓国女優(チン・セヨン )さん:史実の人物は「ソン・ジャヒョン」??
「不滅の恋人」の主演ともいえる「ソン・ジャヒョン」は朝廷重臣の令嬢です。また、見かけによらずおてんば娘。 友人と同じく花嫁修業に飽きた、主人公はこっそり抜け出し「イ・フィ」と偶然出会います。
しかし、イ・フィの兄である「イ・ガン」の執拗なまでの執着により、ドラマの主軸ともいえる「運命の三角関係」が、このドラマの見どころでもあります。
しかし、、、「ソン・ジャヒョン」の実在のモデルは存在していません!
もちろん、「イ・フィ」にも奥様がいらっしゃたはずなのですが、史実の記録にはありません。ひとつ考えられる事として、身分の高い女性は「史実では、名前を表記されない」事も多い事があげられます。
ちなみに、「ソン・ジャヒョン」の父、「ソン・オク(成抑)」は実在の人物。 面白い事に、史実では「ジャヒョン」という名前は、「イ・フィ」の継母として出てきます。
この事から、「ソン・ジャヒョン」はフィクションであり、「ジャヒョン」の名前を「イ・フィ」の恋人の名前として使った物と考える事が出来ます。
韓国俳優(ユン・シユン )さん:史実の人物は「イ・フィ(ウンソン大君)」
「イ・フィ」は、このドラマでは「ソン・ジャヒョン」と共に主人公の1人の重要人物。ドラマ初頭の王様「イ・ヒャン」と、戦い続ける兄「チニャン大君イ・ガン」の弟です。
「イ・フィ」の実在モデルは、史実では「安平大君(アンピョンテグン) イ・ヨン」という実在の人物です。
安平大君(アンピョンテグン)は世宗の三男、ドラマと同じ様に重臣たちから支持される人柄の持ち主であったそうです。 史実では、最終的に「安平大君(アンピョンテグン)」は「兄・首陽大君」との争いに敗れ、最後は「島流し」の刑を受け余生を終えたとなっています。
韓国俳優(チュ・サンウク)さん:史実の人物は「イ・ガン:チニャン大君」
「イ・ガン」は、先王と大妃の次男でドラマ初頭の王様「イ・ヒャン」の弟にあたります。病弱な長男の王位継承を恐れた王家は、幼い頃から「イ・ガン」を王宮から追い出しました。 野心家となった「イ・ガン」は、叔父の「ヤンアン大君」の助けを借り、王座を狙います。
「イ・ガン」の実在モデルは、史実では「世祖・首陽大君(スヤン大君)」という実在の人物です。
首陽大君(スヤン大君)は、世宗の次男でありながら、野心があることを見抜かれ王宮から追い出されて生活したと伝えられています。その後、弟・安平大君と対立、敵対する大臣たちを次々と暗殺、甥の端宗から王位を奪い最終的に第7代国王になったそうです。
韓国女優(リュ・ヒョヨン)さん:史実の人物は「ユン・ナギョム」
「ユン・ナギョム」は、ドラマでは「イ・ガン」の正妻であり「(実在しない?)ヒロイン、ジャヒョン」の親友として登場しています。 ドラマでは、父の亡くなった財力のない家柄の次女という設定でした。
「ユン・ナギョム」の実在モデルは、史実では「貞熹王后尹氏(チョンヒ王妃ユン氏)」という実在の人物です。
実在する「貞熹王后尹氏(チョンヒ王妃ユン氏)」は、「李氏朝鮮」で初めて垂簾聴政(すいれんちょうせい)を行った人物として知られています。垂簾聴政(すいれんちょうせい)とは、歴史ドラマなのでよく見る。皇帝が幼い場合、皇后・皇太后のような女性が代わって摂政政治を行うことです。
垂簾聴政(すいれんちょうせい)は、皇帝が幼い場合、皇后・皇太后のような女性が代わって摂政政治を行うこと。 中国で、女性である皇太后は、男性である朝臣と直接対面するのを避けるため、皇帝の玉座の後ろに御簾を垂らし、その中に座って政務を行ったことより、このように呼ばれた。 「皇后・皇太后」といっても、幼帝である場合は皇后が聴政することは当然出来ないため、皇后の例は非常に少なく、また皇太后といっても日本の制度では太皇太后となる例や、先帝在位中は皇后でなかったが幼帝の生母であるため皇太后となった例もある。
また、実在する「貞熹王后尹氏(チョンヒ王妃ユン氏)」は、初めて大王大妃(テワンテビ)になった人物でもあります。
大王大妃(テワンテビ)は、朝鮮王朝の先々代の国王のキサキ(后または妃)で、現に在位している国王の祖母・先代国王の母の称号。 大王大妃は国王の祖母として国王に親権を行使できたので、ときには国王を退けて実権を掌握した大王大妃もいる。貞熹王后・文定王后・貞純王后・純元王后などは幼少の国王に代わって垂簾聴政を行い、名実ともに最高権力者となった。 ほとんどの王妃は大妃や王大妃までで死去してしまい、長寿を保って大王大妃になる王妃は少なかった。しかし朝鮮中期以降、若くして死去する国王や子どものいない国王が増え、その結果、傍系から即位する国王も増えた。傍系の王族を王位継承者に指名するのは、やはり親権者の大王大妃であり、特に純祖が子どもを残さずに死去してからは、同様に子どものいない国王が続き、大王大妃が若年で政治経験のない人物をあえて次期国王に据えて、引き続き実権を握ろうとするケースが相次いだ。大王大妃の権威を背景に、科挙官僚や王族を排斥し、大王大妃の親族が権力を握る勢道政治が長く続き、ついには朝鮮の近代化を大きく遅らせる要因になった。代表的な例では慶州金氏や安東金氏がある。
また、史実では「実の姉」が、「首陽大君の正室」になる予定でしたが、王宮の使者の目に止まり正室になったという逸話も残っています。
『不滅の恋人』に見る史実!?「不滅の恋人」実際の歴史背景は?
実際、「不滅の恋人」の時代背景はどのようなものだったのでしょう。下記に時代背景を抜粋してみました。
『世宗は32年もの長きにわたって国を治める。』
1450年に長男の文宗が第5代王の座に就いだが、病弱で僅か2年で11歳の長男に譲位。
その結果第6代王・端宗が誕生。すると幼い王を補佐するという名目で叔父(※世宗の次男)の首陽大君(スヤンテグン)が政界に乗り出し、文宗に端宗の後見を託された重臣の金宗瑞(キム・ジョンソ)らが、世宗の三男で懇意な安平大君(アンピョンテグン)を後ろ盾として首陽大君をけん制するようになった。
こうして、兄弟(首陽大君と安平大君)の対立は激化!!
その後、兄・首陽大君はクーデター「癸酉靖難(ケユジョンナン)」を起こし金宗瑞らを殺害する。
弟・安平大君は金宗瑞らと共に謀反を企んだとの濡れ衣を着せられて江華島に流され、その後、賜薬を下されてしまい35歳という若さで死去。
最終的に兄・首陽大君は即位し第7代王・世祖となった。
ドラマでは、冷酷非情な人間として描かれている「「イ・ガン」の実在モデル「世祖・首陽大君(スヤン大君)」ですが、『経国大典』などを整えたのも「スヤン・テグン」。『経国大典』が整ったことから「朝鮮王朝の基礎を築いた」とも言われています。
まとめ「不滅の恋人」はどこまで史実に忠実?
今回は、韓国歴史ドラマは「どこまで史実に忠実?」かについて調べてみました。主要人物の4名のうち3名は「実在の人物」というのは、かなり史実に近いのではないかと思います。
史実では「「イ・フィ」の実在モデル、「安平大君(アンピョンテグン) イ・ヨン」は「江華島に流され、賜薬を下されてしまい35歳で死去」ですが、前回までのドラマでは、流された島から「生きて」もどって来られましたので、この時点からはやはり創作なのかな?と思います。
韓国の「歴史ドラマ」が人気があるのは、史実を巧みに取り入れ現代ドラマとミックスさせる構成力が素晴らしいのかも知れませんね! あと数回となった「不滅の恋人」の放送からも、目が離せません。 最後までお読みいただき有難うございました!
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