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【感動の実話】突然、光を奪われた犬は、それでもなお人間を信じ続けていました

ドッグレスキュー
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2022年6月、ロシア 極東連邦管区の北東端に位置する自治管区、チュクチの農村地域
マルコヴォで野良犬に対する、恐ろしい虐待事件が発生しました。

その日、マルコヴォ付近をドライブしていた女性は、道路わきの草むらを ふらふらと
おぼつかない足取りで歩く、一匹の野良犬に目が留まりました。

気になって車を停め、犬の傍に近寄った女性は、あまりに酷い その姿に一瞬、自分の目を疑いました。

 

犬の両眼は大きく飛び出し、まるで黒いボールが埋め込まれた様になっていたのです。
全く目が見えていない犬は、ここが何処かさえ分からない様子で、不安そうにしています。
女性が「大丈夫よ」と優しく話しかけ、背中を撫でると犬は少し安心したのか、
その場に座り込みました。

何とか犬を救いたいと思った女性は、シベリア南東部 イルクーツク州アンガルスクで活動する
動物保護団体・MV38に連絡、助けを求めたのでした。

しばらくして到着したMV38の救助スタッフは、犬の姿を見て驚きました。
様々な救助を経験しているスタッフでさえ、これほど酷い状態の犬を見た事がありません。

自分に何が起こったのか分からない犬は、酷い痛みと恐怖を感じていたに違いありませんが、
女性たちが優しく背中を撫で続けてくれていたおかげで、逃げ出す事もなく
MV38の救助スタッフが到着するまで、その場にとどまってくれていました。

犬はスタッフ達が悪い人間ではないと分かったのか、痛みを感じているにもかかわらず
持ち上げても決して抵抗する様子も無く、その身を委ねてきました。

救助スタッフは犬を車に乗せ、見守り続けてくれていた女性たちにお礼を告げると、
日頃から団体の活動を協力してくれている プライドクリニック 動物総合病院へ急ぎました。

到着した男の子の犬は「バイカル」と名付けられ、すぐに診察室まで運ばれると、
連絡を受け待ち構えていた獣医師と医療スタッフによる、詳しい検査が行われました。

獣医師は、恐らくバイカルは頭部に受けた強い打撃により、急激な眼球突出を起こした後、
そのまま治療も受けられずに放置されたのだろうと言います。

また、バイカルは眼球突出の他にも、上下の顎を骨折していました。
バイカルは車に撥ねられ運悪く、頭部だけを強く打ったか、もしくは心無い人間から、
頭部を、何かで何回も強打された可能性がありました。

どちらにせよ、頭を強打し、瞳が飛び出したバイカルを見た人間が、知らぬふりをし
その場所を通り過ぎた事実だけは、紛れもない事実でした。

眼球が飛び出た後も、腫瘍や膿瘍など眼球を後ろから押すものがないのであれば、
早急に眼球を納めることで、失明を免れる可能性は十分にあります。

しかし、バイカルは眼球が突出した後、しばらく治療も受けれなかったせいで、
組織がすでに壊死し始めており、瞳は摘出手術する他に手だてはありませんでした。

スタッフは、バイカルを傷つけたまま、通り過ぎた人間に対しやり場のない怒りが込み上げてきたと言います。

その後、緊急手術を行う為、血液などの詳しいいくつかの検査が行われました。

検査の途中、バイカルは恐ろしい痛みに襲われ、また何が起こっているかも分からず
とても不安だったに違いありませんが、バイカルはとても強い心で懸命に闘い続けました。

当日行われた、眼球摘出手術は神経組織が癒着し困難を極め、長時間に及びましたが、
無事に成功し、バイカルは初めての大手術を乗り切る事が出来ました。

翌日、骨折した上下の顎の手術を受けたバイカルは、その後のケアを行う必要から、
しばらくの間、プライドクリニックに入院する事になりました。

バイカルが入院している間、動物保護団体・MV38のスタッフは、何度もお見舞いに訪れました。

目が見えないバイカルでしたが、スタッフ達の声と匂いを覚え、病院にやってくると
その足音が聞こえるだけで、とても喜んでいたと言います。

上下ともに顎が骨折していたバイカルは、まだ食べ物を噛むことが出来ず、
柔らかな流動食をシリンジを使い、何度かに分けて与える必要がありました。

救助されてから1カ月が経過すると、手術後の傷や体力が回復してきたバイカルは、
動物病院の周りを団体のスタッフ達とお散歩する様になりました。

まだ、おぼつかない足取りでしたが、懸命に匂いと耳を頼りに歩き出し、
その歩みは日を追うごとに、少しずつ強くなっていきました。

救助されてから2カ月が経過、顎の骨折も完治し、通常の食事も出来るようになったバイカルは
動物保護団体・MV38のシェルターに、移動する事が出来るまでに回復しました。

広大な敷地面積を持つ、動物保護団体・MV38では、年齢や、犬同士の相性など、
様々な特徴を持つそれぞれの犬たちに合わせて、数頭ごとを分け、広いスペースで飼育しています。

また、シェルターを訪れるたくさんのボランティアさんや、近郊の学校とも連携し、
多くの子供たちと協力、犬達をお散歩させることでストレスのない生活環境を実現しています。

現在バイカルは、彼本来が持っていた 人懐こい、とても優しい性格を取り戻し、
スタッフはもちろん、訪れるボランティアさんや子供たちの人気者になっているそうです。

バイカルは、匂いをかぎ分ける嗅覚と、遠くからの足音を聞き分ける優れた聴覚を使い、
今では目が見えている他のワンちゃんと、まるで遜色のない生活を送っています。

やがてバイカルが彼に相応しい 愛情深い飼い主さんの元へと旅立つのも、そう遠くないはずです。

今までたくさんの試練に耐えてきた、バイカルの幸せな未来は光輝いています。

最後まで、ありがとうございました。

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