桑田佳祐さんおよびサザンオールスターズのモノマネに関する今後の方針とは?TBSとアミューズの対応をめぐる一連の経緯を解説
皆さま、こんにちは。今回は、人気バラエティ番組で放送された企画をめぐり、大手芸能事務所とテレビ局の間で起きた一件について、詳しくご紹介したいと思います。
発端は「水曜日のダウンタウン」での企画
問題の発端となったのは、2024年3月12日にTBS系列で放送されたバラエティ番組『水曜日のダウンタウン』内の企画「第一回 女桑田選手権」でした。この企画では、「女性が演じる桑田佳祐さんのモノマネは面白いのか?」というテーマのもと、椿鬼奴さんをはじめとする複数の女性芸人・歌手が、サザンオールスターズのボーカルである桑田佳祐さんになりきってパフォーマンスを披露。歌唱力や表現力を競う、エンターテインメント性の高い内容となっておりました。
アミューズがTBSに抗議
しかしながら、この放送に対して、桑田佳祐さんをはじめ、福山雅治さん、星野源さん、吉高由里子さんなど多くの著名人が所属する芸能事務所「アミューズ」が強く反発。報道によれば、アミューズ側はTBSに対して正式に抗議を申し入れたとのことです。
芸能記者によると、「企画自体は出演者のクオリティも高く、決して桑田さんやサザンオールスターズを貶めるような内容ではなかった」との見解もあります。桑田さんご本人もこれまで、自身のモノマネ芸人に対して寛容な姿勢を示しており、ラジオ番組で彼らを紹介することもあったそうです。そのため、「なぜ今回は事務所が強く反応したのか?」という点に疑問を感じる関係者も少なくありません。
TBSが打ち出した新たな対応方針
この抗議を受けて、TBSのコンテンツ制作局は、2024年4月9日付で社内向けに今後の対応方針を通達しました。その概要は以下の通りです。
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軽微な範囲でのモノマネ(たとえば、大きな企画の中で一曲だけ桑田さんの曲をモノマネする等)については、アミューズへの事前相談は不要
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しかしながら、次のようなケースに該当する場合は、事前にアミューズ側と丁寧に相談し、確認を取ることが必須とされました。
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企画のタイトルなどに「桑田佳祐さん」や「サザンオールスターズ」の名前を明記する場合
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番組のPRとして、テレビ欄(ラテ欄)やEPG(電子番組表)等に桑田さんやサザンの名前を使用する場合
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このような具体的な指針が設けられたことで、今後TBSは慎重な対応を余儀なくされることとなりそうです。
背景にはテレビ局と芸能事務所の力関係も
この一連の騒動については、テレビ局と大手芸能事務所の「力関係」が如実に表れているとも言われています。TBSでは、現在アミューズ所属の福山雅治さんが主演を務めたドラマ『ラストマン-全盲の捜査官-』の映画化が進行中であり、事務所との関係悪化を避けるため、配慮を優先した結果と見る向きもあるようです。
ある民放局のバラエティー番組制作関係者は、「事務所との関係性を重視するのは当然だが、それにより番組内容の自由度が制限されてしまうことには危機感を覚える」と語っています。
また、他局の日本テレビやフジテレビでは、桑田さんのモノマネが定番ネタとして繰り返し登場するなど、比較的自由な演出が行われている現状もあります。TBSのように過剰に配慮しすぎることで、企画の可能性が狭まってしまうのではないかという声も少なくありません。
視聴者と演者への影響
こうした状況を受け、桑田佳祐さんのモノマネを得意とする芸人の方々は、今後の出演機会やレパートリーの幅に不安を感じているかもしれません。仮に「桑田モノマネNG」という事態が現実となった場合、代替となるネタを用意しなければならないというプレッシャーもあります。
さらに、視聴者にとっても、こうした演出規制は「面白さの減少」に直結する恐れがあります。近年のテレビ業界では、旧ジャニーズ事務所をめぐる問題なども相まって、大手芸能事務所への過度な忖度が批判される場面が増えています。今回の件もまた、その構図を浮き彫りにするものとなったのではないでしょうか。
おわりに
TBS側は「アミューズに対する忖度はない」としていますが、一部の報道では、すでに視聴者の間に「テレビがつまらなくなってきた」との声が広がりつつあるとも言われています。
芸能人の肖像やイメージを守ることはもちろん重要ですが、それと同時に、自由な表現や創造的な番組づくりもまた、視聴者にとって欠かせない価値ではないでしょうか。今後、テレビ局と芸能事務所の関係性がどのように変化していくのか、引き続き注目していきたいと思います。
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