現在、中国では経済の急速な発展に伴って、女性ドライバーによる事故が多発、連日、事故の映像がネット上に投稿されています。
坂道発進が出来ずに急降下したり、バックの最中、アクセルペダルをブレーキと間違えたドライバーが住宅に衝突。
高速道路を逆走する車を運転しているのは、高齢者ではなく、まだ若い女性ドライバーです。
更には、バックする方法さえわからず、車を降り、自分の力で車を動かす女性もいます。
しかし、なぜ中国では女性ドライバーの事故が、特にSNS上で大きく取り上げられるのでしょうか?
これは、中国でいかに女性ドライバーの事故が多いかを、皮肉った動画です。
「あなたがバックしてちょうだい、私はバックの仕方が分からないの」
「あなたがバックして!私には、バックする勇気がないの!」
「私は免許を取ったばかりなの、私にもバックする勇気はないわ!」
「私も、免許を取ったばかりなの、、」
「私たち、どうしたらいいかしら?」
「教習所の先生に電話して!車をバックさせるのを手伝ってもらうといいわ。」
「それはいい考えね!、、、、。先生、私の車をバックするのを手伝ってくれませんか?」
これは投稿者が誇張して作成した動画ですが、中国で新しく免許を取った女性ドライバーの実態を如実に
表現しています。
中国では、運転免許試験に合格するのは簡単ですが、教習所を出たばかりの女性が実際の道路を走るのは難しいといいます。
中国では、女性ドライバーと聞くと、まず危険なイメージを思い浮かべることが多いといいいます。
撮影者の前のテスラは赤信号で停止していましたが、なぜかバックギアに入っていました。
撮影者は、テスラの運転手が誤ってバックでアクセルを踏むのではないかと、
証拠として急いで携帯電話を取り出しビデオ録画しました。
案の定、青信号になったテスラは前進せず、いきなりバックし撮影者の車に激突、降りてきたのは女性ドライバーでした。
またある女性は、友人の女性が新しく購入した車で迎えに来ると聞き、他の友人と共に、迎えの場所に待機していました。
車に気づき女性が近づくと、信じられないことに、その友人はアクセルを踏み、突っ込んできました。
女性は投稿に動画を投稿、「私の親友が免許を取って迎えに来てくれました。
私はVIP待遇だと思っていましたが、彼女はブレーキも踏まずにアクセルを強く踏みました。
車が私に向かって突進してきたので、私は急いでジャンプ、靴が脱げ裸足で障害物を飛び越え逃げました。」と語っています
一説によれば、中国の運転免許試験制度は筆記試験に重点を置いており、
実際の運転技能にはあまり重点が置かれていないと言われています。
これは、日本や英国に代表される実技重視の、免許試験を考えると、信じられない事です。
その為、免許を取得して道路を運転し始めると、中国の複雑な道路状況と相まって、
技能の弱いドライバーは、必然的にこのような結果に直面することになります。
現在、人口2000万人の都市、北京では30〜40%の世帯が自動車を所有しています。
著しい経済発展を遂げた中国では女性の社会進出が増え、若い女性の多くが運転免許を取得、
それに伴い女性の事故の割合が増えたのも事実です。
しかし、なぜ中国では、女性の運転技能が低いと言われることが多いのでしょう。
理解しておくべき点として、中国はジュネーヴ条約に加盟していないため、
国際運転免許証で運転することが許可されていません。
中国大陸で車を運転するには、中国独自の運転免許証を申請して取得する必要があります。
中国では、女性の運転免許試験の合格率が著しく高いと言われています。一体何が起きているのでしょうか?
中国の運転免許試験ついて、みてみましょう。
まず必要な筆記試験は、すべて交通ルールに関するもので、頭のいい中国の女性にとっては簡単に合格できます。
次に教習所で教える、駐車や、バック、カーブの運転など、実技に関するものです。
一説では、教習所の教官は、押し寄せる多くの受講生を合格させるため、
これに関する一連のコツを教えていると言われています。
例えば、バックミラー見て、特定の点に合わせ、見えなくなったらハンドルを回すなどです。
これらのコツに従うだけで、特に覚えの良い、女性にとって実技試験を合格するのは簡単です。
しかし、実際の道路に入ると、学校で教わっていない状況に対応するため、
目と耳を絶えず周囲に向けなければならなくなり、これらのコツはすぐに役に立たなくなります。
結局のところ、中国の運転免許試験は基本的に免許工場だと、批判する人もいます。
日本や英国の自動車教習所は、教官によってはある意味トラウマを抱えるほどの厳しい指導を行い、
運転試験は実際の道路で厳しく採点、試験合格した人なら、実際の道路に慣れれば、さほど混乱することはありません。
一部の人は、中国のドライバーは、国際基準に達せず苦労しているサッカー代表だという人もいます。
しかし、もう一つのアジアの大国である日本は、均一化され教育方法と、
厳しい指導方法でほとんどの人たちが世界で通用する運転テクニックを克服しました。
日本では運転技能テストの結果に基づき、不得意な弱点の改善に重点を置き、個人の進捗状況により、教習時間が延長されます。
日本の自動車学校では、車線変更の明確で詳細な手順を教えてくれます。
ルームミラーや左右のサイドミラー、そして目視で、走行している周囲の車を確認、
車線変更の3秒前から合図のウィンカーを出し、車線を変更、これが確実になるまで練習します。
そして日本では、基本的にレッスンはマンツーマンで行われ、教官が生徒をあえて狭くて曲がりくねった道に導いたり、
速度、ハンドル、ブレーキのコントロール細かく練習しています。
対照的に、中国では1人のインストラクターが、3〜4人の生徒をグループで
一般道や高速道路に連れて行き、加速、出口での注意、巡航を練習するのが一般的です。
日本と中国の平均的なドライバーを比較すると、初心者運転手のスキルレベルの違いは顕著です。
中国では、運転レッスンの費用は、通常5000〜10000元(日本円で10万円から20万円)で、
試験に合格すれば免許を取得できますが、後で事故に遭うかどうかは運転手次第です。
日本の自動車教習所の教習料金は、平均31万円で、教習所の教官は、運転のコーチであるだけでなく、
性格や弱点に基づいた個別のトレーニングを提供、その結果、ほとんどのドライバーは、
中国よりも、はるかに優れたスキルと精神的な準備を備えたドライバーになります。
中国では運転免許を取得するための比較的緩いプロセスが、無秩序な道路環境を生んでいるのではないかと指摘する人もいます。
対照的に、厳格な試験基準が適用される日本や英国などの国では、車両の移動速度は速いものの、比較的事故は少ないとされています。
ここまで中国の女性ドライバーたちの実態を、少し誇張気味に、そしてユーモラスに見てきました。
しかし実際、運転は性別に関係なく、時間と練習を繰り返せば取得できる技術であることを忘れてはいけません。
実際、中国の女性ドライバーが関与する事故のほとんどで重大なものは少なく、軽微な接触事故です。
ある中国の保険会社は、50万件の交通事故の請求を分析、女性は男性に比べ、
時速10キロ未満の速度での事故に、巻き込まれる可能性が高いことを発見しました。
中国でも将来、運転習慣は徐々に改善されると予想されます。
数年後には「女性ドライバー」という言葉が、道路上の危険と結び付けられなくなるかもしれません。
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