柔道世界選手権、女子57キロ級で出口クリスタさん金メダル
世界柔道選手権の決勝が27日に日本武道館で行われました。カナダ人の父、日本人の母を持つカナダ国籍を取得した出口クリスタさんが今回、柔道女子５７キロ級で初の金メダルを獲得されました。日本で高校時代からの良きライバル関係だった日本代表の芳田司さんとの決勝は、もつれにもつれ緊迫の延長戦の結果、出口クリスタさんの技あり（谷落）で決着とりました。出口クリスタさんは、昨年の同大会で準決勝で芳田司さんに敗れ、銅メダルに終わった大会での借りを返し悲願の優勝を果たしました。
出口クリスタさんの父親トーマス・テイラーさんは、カメラマン
出口クリスタさんは試合後の記者会見中に、一人のカメラマンに、ぺこりと頭を下げました。出口さんのカナダ人の父トーマス・テイラーさん、実は今大会カメラマンとして娘である出口クリスタさんを撮影されていました。出口クリスタさんは父親に対して「父はカメラマンとしてここにいるんですが、、。日本で開催される大会は、いつもそばにいてくれている守護神みたいに温かく見守ってくれるとてもありがたい存在なんです。（父親に対して頭を下げ）ありがとうございました。」と、会見中に父親への感謝の気持ちを伝えました。
五輪への夢を諦めかけた頃に、カナダコーチからの誘いを受けて
出口クリスタさんは、長野・塩尻市でカナダ人の父親と日本人の母親との間に生まれました。高校時代は松商学園高校柔道部に所属し、全日本ジュニアでは今回の大会と同じ芳田司さんに勝って優勝をしていました。しかし大学時代では優勝から遠ざかり、次第にオリンピックへの夢を諦めかけた頃、カナダ代表コーチからの誘いを受けて出口さんは一大決心をします。カナダへの国籍変更というに決心に、家族はもちろん日本のコーチでさえ応援してくれたそうです。「東京オリンピックでの金メダル」という自分の夢をかなえる為にカナダ国籍を取得した出口さん、ライバル芳田さんを倒さなくてもオリンピックには出る事が出来ます。しかし世界一になる為には、芳田さんを倒さないといけません。今回の決勝戦では、最初からお互い技を掛け合う緊迫した展開でしが、出口さんは「頭を下げずに、いい姿勢でいく」事を第一に考え、吉田さんの内股への対策を考えたそうです。
緊迫の試合は４分を超えて、延長戦へ突入しました
延長戦に入ってからも、押され気味の出口クリスタさんは延長戦１分30秒、寝技から腕を取られました。これをなんとか守り抜くと２分11秒には逆に芳田司さんへの指導が付き、その直後の2分26秒に出口クリスタさんが谷落で技ありの判定！合計6分26秒の緊迫した決勝戦を制しました。
出口クリスタさんは、日本育ちの現在23歳。山梨学院大学の途中まで、日本の強化選手でした。今回の大会で世界ランク2位となりました。大会が終わる二人には大歓声が起こり二人をたたえました。出口クリスタさんは 「（自分の国籍を）カナダにしたので、日本の皆さんがどういう反応するか、いまいちわかっていない中での試合でしたが、思ったより声援が大きくて力になりまた！」 また「男女通じてカナダでは初めての金メダルでとても嬉しく思っています。今回の大会で自分を誘ってくれたカナダの関係者の方へ金メダルを持って帰ることが出来てとっても嬉しい」と会見では嬉しそうに話されていました。
日本人としては、複雑な気持ちもありますが、、自分の意思を持ってやり遂げた出口クリスタさん素晴らしいですね、本当におめでとうございます！
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