トヨタの欧州法人は、2025年9月24日にポーランド・カトヴィツェで開催された「ニューモビリティ会議」において、クロスオーバーSUV「bZ4X」をベースに開発された新型モデル**「bZ4Xツーリング」**を現地で初公開いたしました。
このモデルは、SUVの利便性とステーションワゴン(ツーリングワゴン)の実用性を融合させた**BEV(バッテリーEV/電気自動車)**として、欧州市場を中心に大きな注目を集めています。
トヨタのBEVラインナップを拡充する戦略モデル
今回の「ニューモビリティ会議」では、新型「C-HR+」や「bZ4X」、「アーバンクルーザー」といったモデルと共に、この新型「bZ4Xツーリング」を含む、トヨタの次世代BEVの主要4車種が一挙に披露されました。これは、トヨタが欧州市場における電動化戦略をさらに加速させる、強いメッセージとなっています。
その中でも、特に実用性と積載性の拡大に焦点を当てた派生モデルである「bZ4Xツーリング」は、非常に注目されました。欧州では2026年春の導入が予定されており、既存の「bZ4X」のラインナップを拡充する、重要な戦略的モデルと位置づけられています。
荷室容量を大幅に拡大したボディサイズ
新型「bZ4Xツーリング」は、ベースモデルである「bZ4X」と比較して、車体サイズが拡大されています。
- 全長: 4,830mm(標準bZ4Xより140mm拡大)
- 全高: 1,670mm(標準bZ4Xより20mm拡大)
このサイズアップにより、最も恩恵を受けたのが荷室空間です。荷室容量は標準モデルから148リットル増となる600リットルを確保いたしました。これにより、ゴルフバッグなどの大きな荷物や、キャンプなどのアウトドアギア、そして長距離ドライブ時の家族の荷物など、あらゆるシーンで余裕の積載性を発揮します。
エステートらしい洗練されたデザインと充実装備
エクステリアデザインは、ステーションワゴン(エステート)らしい、伸びやかで美しいプロポーションが特徴です。専用デザインのリアバンパーを採用することで、標準モデルとは一線を画す、洗練された印象を与えます。さらに、最大70kgまでの積載に対応するルーフレールを標準装備しており、実用性とアクティブな印象を高めています。
インテリアも最新の快適装備でアップデートされています。
- 新デザインのセンターコンソール:より使いやすく、洗練されたデザインが採用されました。
- 大画面ディスプレイ:14インチ級のマルチメディアディスプレイ「TFTマルチメディアディスプレイ」が標準採用され、ナビゲーションやインフォテインメントシステムの利便性、そして視認性が大きく向上しています。
力強い電動走行性能と優れた充電性能
新型「bZ4Xツーリング」は、日常の走行からアクティブなレジャーまで対応できる、強力なパワートレインを備えています。
- 駆動方式と出力:
- FWD(前輪駆動)仕様:最高出力224馬力(165kW)を発揮します。
- AWD(全輪駆動)仕様:システム最高出力380馬力(280kW)を発揮し、力強く安定した走りを実現します。
- バッテリーと充電:
- バッテリー容量は74.7kWhのリチウムイオンバッテリーを搭載。
- 普通充電は11kWまたは22kWに対応し、家庭や公共の充電スタンドでの利便性が高められています。
- 急速充電は最大150kWのDC急速充電に対応しており、短時間での充電を可能にしています。
さらに、「bZ4Xツーリング」は最大1,500kgのトレーラー牽引能力も備えています。これにより、キャンピングトレーラーやボートなどの牽引も可能となり、電動SUVとしての使い勝手とレジャーの幅を大きく広げています。
今回発表された新型車は、トヨタが主要な市場セグメントに向けて用意するモダンなSUVラインナップの重要な一角を占めます。欧州トヨタは2026年までに、ポーランド市場において乗用車・商用車を合わせて10車種のBEVを展開する計画を掲げており、「bZ4Xツーリング」はその中で、高い実用性を求めるファミリー層やアクティブなユーザーのニーズに応える重要な役割を担うモデルとなるでしょう。
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