ライブ配信を通じ、消費者とコミュニケーションを取りながら商品を販売するライブコマースは、
注目を集めるための重要な戦略となっており、ますます多くの企業がこの方法を採用しています。
BYDも例外ではなく、最近では済南市のBYDディーラーで、女性ホストがライブ配信中、
なぜか、ジーンズがずり落ち、下着があらわになるという出来事が起きました。
その間も女性は、熱心にBYD車のプレゼンテーションを続けながら、冷静に、さりげなくジーンズを上げました。
ライブ配信をリアルタイムに見ていた1300人の視聴者は、驚き、多くの人々がスクリーンショットを撮ってSNSで共有、
BYDは「“わざとチラ見せ”」し、意図的に注目を集めようとしたのではないかという議論を、ネット上で巻き起こしました。
実際、中国では、女性ホストが露出度の高い服を着ることは、オンライン自動車販売では一般的であり、
この様な問題は、当局が過激な行動を抑制するための指導をしているにもかかわらず続いています。
一部の人は、ベストセラーブランドであり中国の国民的ブランドであるBYDが、
しかし、市場でトップセラーとして君臨、中国ではしばしば、国家の誇りだと称されるBYDが、
今では人目を引くスタンスに頼って、車を販売していると、ネット上では多くの人々から批判を受けています。
確かに、このような販売戦略は、短期的な注目を集めるかもしれませんが、長期的なブランドロイヤルティや、市場の信頼を築く可能性は低いです。
BYDは、今や新エネルギー車市場で大規模な顧客基盤を持っていますが、その評判は販売実績と密接に結びついています。
評判の低下は、販売の大幅な減少につながり、飽和状態にある中国市場での地位を落とし、BYDにとって大きな危機をもたらす可能性があります。
近年、BYDは大規模な拡大と、中国政府による多額の補助金を武器に、値下げを通じ急速に市場シェアを獲得してきました。
しかし、中国国内ではすでに、BYDの車造りはまるで、消費者の命をもてあそんでいるようだとするコメントで溢れています。
実際、中国ではBYDの車が事故を起こした場合、車軸が折れ、大きく損傷し、タイヤが外れたりする、映像を見ることが多くあります。
また、すぐに錆だらけになる事で知られおり、メーカーは錆びの問題を解決したと主張していますが、
BYDの車体が錆びているという苦情は依然として高く、これらの苦情は毎年増加しています。
錆の問題以外でも、BYDのEVは頻繁に故障しているにも関わらず、購入者は、所有者の権利が守られていないと主張しています。
中国企業各社の担当者が震える、3月15日の世界消費者権利デー、
中国・広東省の消費者ホットラインの担当者が購入者と共に、BYDのカスタマーサービスに連絡するビデオが突然中断されました。
そして車の所有者が権利を主張し、BYDブランドを批判していたビデオ映像は、後に削除されました。
動画が削除された後、中国の一部の人々は、BYDが中国政府との強力なパイプを利用、否定的な情報を抑制していると非難しました。
今回、注目されたBYDの問題は、BYDが独自ADAS(先進運転支援システム)「神の眼(ゴッズアイ)」を発表、
ほとんどのモデルに追加料金なしで搭載するとした件で、従来オーナーからの苦情が殺到したことです。
中国自動車苦情受付サイト「車質網」の2025年2月の苦情受付総件数は、4万件近くに達し、過去最高にとなりました。
そのうち6割近くが、すでに購入している、BYD従来オーナーからの苦情でした。
BYDは時々従来オーナーから大量の苦情が寄せられ炎上していますが、
今までは販売に大きく影響するもの事はありませんでした。しかし今回の苦情受付総件数は、過去の比ではありません。
全中国の月間苦情件数が、通常は1~1.5万件なのに、2月はBYDだけで2万2千件、苦情の数の凄まじさがよく分かります。
同じ価格の車を買ったのに、時期がずれただけで最新の運転支援システムの有無につながるのですから、従来オーナーはたまったものではありません。
今回の発表の結果、再販価値が下がり、一部の車両は数万元(日本円で数十万円)も損なわれたのです。
BYDは、今回の(先進運転支援システム)「神の眼(ゴッズアイ)」の発表により、競合他社との価格競争を再燃させました。
自動車の価格破壊は、もはや中国において災害級のレベルに達しています。
このアプローチにより、BYDは機能をアップしながら、価格の引き下げというジレンマに陥り、
コスト負担を、品質と、アフターサービスの削減に移すという悪循環が生まれました。
そして実際、2025年2月のモデル苦情ランキングが発表されると、BYDがワースト10位すべてを占める事になりました。
さらに、これらのモデルのうち7つは、1000件を超える、多くの苦情を受け、
BYD・シール 06は、6000件を超える苦情で、ワーストリストのトップという恥ずかしい順位になりました。
苦情の上位は、新旧モデル間の価格差、シャーシの不良、錆び、ひび割れ、安定性の悪さ、横滑り、エンジン始動の問題に関連する問題が多く寄せられています。
自動車の購入は単なる、一回限りの取引ではありません。アフターサービス、テクニカルサポートなども含まれます。
BYDは手抜きをしていると非難する人は多いものの、会社名を挙げるのをためらい、中国では間接的なコメントをする人がほとんどです。
これは、BYDの法務部門が、自社を否定する言動を厳しく管理しているためです。
実際、2月末には、北京で自動車修理を営む、「ロン兄弟」として知られる、
フォロワー数・510万人の人気・ブロガーがBYDから訴えられるという事件が起きました。
彼は、BYDの新エネルギー車の修理に関する動画を投稿しましたが、BYDの執拗な圧力に直面、点滴治療を受け始めたようです。
その後も、ロン兄弟は動画を投稿、中国では言論の自由、企業の評判、消費者の権利について幅広い議論が巻き起こりました。
10年の経験を持つメカニックであるロン兄弟は、2023年に、動画プラットフォームで、BYDの修理方法を共有し始めました。
彼は、彼はBYDの車は、安価な材料と設計上の欠陥があるとし、低コストで出来る修理方法を提供、何百万人ものフォロワーを獲得しました。
彼は「BYDが再び故障しました。今ではBYDについて話すのも怖いです。訴えられるのではないかと心配です。」と語っています。
BYDを含む、中国の自動車会社の批判を続けた「ロン兄弟」は、ついに国内の自動車会社3社から、
賠償金として総額700万元(日本円で約1億4700万円)もの、高額の請求をされたといいます。
さらにそのうち、100万元(日本円で2100万円)の損害賠償請求を起こした、広東省に拠点を置く1社は、
謝罪を要求、請求を起こしたにもかかわらず、この事を公表しないようにと求め来たと言います。
この事件は、中国でも注目を集めています。
そして、自動車会社が消費者の声を抑圧するために、法律を悪用していると多くの人が考えています。
整備士「ロン兄弟」は、車の所有者がお金を節約できるように問題を暴露しますが、自動車会社は問題を解決しません。
代わりに彼らは、問題を指摘した人を追及します。今では多くの人がロン兄弟に同情、彼を励ましています。
ある人は「彼らは品質を向上させるためにお金を使うよりも、訴訟費用にお金を使うことを好む。」とコメント。
また別の人は「BMW、メルセデス・ベンツ、アウディ、トヨタ、ホンダを買ったとしても、その車に問題があれば、人々に話すことができます。
更に、オンラインで苦情を申し立てて暴露すれば、企業を批判するのを手伝ってくれる人もいるかもしれません。
しかし、一部の中国の自動車会社では、車から出火、複数の店舗が全焼しましたが、それについて話す勇気はありません。」と語っています。
BYDや、他の中国の自動車会社は、否定的な情報に対する寛容度が極めて低く、時には高額の賠償請求を利用して批判を抑えます。
BYDは最終的に訴訟に勝ち、「ロン兄弟」は200万元(約4200万円)の賠償金を支払わなければならなくなり、さらに謝罪する動画を公開、名誉を毀損するコンテンツを削除しました。
しかし業界のアナリストは、BYDが訴訟に過度に依存することは、いずれ自分たちの首を絞めるのではないかと話しています。
自動車会社が、客観的な批判を悪意のある中傷と混同すれば、実際のフィードバックさえも抑制し、
長期的にはブランドの信頼性を損なう可能性があると指摘しているのです。
健全な、中国の車業界の向上は、裁判所の判決ではなく、製品の品質に頼るべきです。
しかし、BYDの法務チームは非常に活発で、同社を批判するインフルエンサーを、
今年に入ってから、すでに5、6人を訴えています。
電気自動車(EV)の販売台数がテスラを上回り、成長著しい中国EV大手のBYD。
2024年は日欧米のメーカーが苦戦する中、BYD筆頭とする中国勢が販売を伸ばしました。
しかし、そのBYDに「巨額の隠れ負債」を抱えていることを、香港の調査会社GMTが指摘していると、
米国メディア「ブルームバーグ」が報じ、広範囲にわたる議論を巻き起こしました
ました。
GMTによると、BYDは(サプライヤーへの支払いを遅らせるなどする)サプライチェーンファイナンスに、
依存することによって、急増する負債額を覆い隠しているといいます。
そして、BYDの実質的な負債は、2024年6月末時点で3230億元(約6兆4600億円)に達し、
時価総額の半分近くを占めるまでになっているそうです。
一方、BYDが公式に発表している負債は正味、277億元(約5540億円)。
GMTは「どのような形であれ、これは資金調達の一形態であり、隠れた負債だ。
負債を運転資金の一部と見せかけるために巧妙な手法がとられている」とコメントしています。
ライブコマースでの注目を集める戦略、消費者からの大量の苦情、批判者への訴訟対応、そして巨額の隠れ負債疑惑まで。
BYDを巡る騒動は、まるでジェットコースターのようですね。
今回の動画では、BYDの様々な問題点を取り上げましたが、あなたはこれらの情報を聞いてどう思いましたか?
相次ぐ品質問題や顧客対応の批判は、BYDの今後の販売戦略にどのような影響を与えるでしょうか?
また、巨額の隠れ負債疑惑は、BYDの経営状況にどのようなリスクをもたらすと考えられますか?
最後に、この記事を読んでくださった方々に感謝申し上げます。
また次回の記事でお会いしましょう!
コメント