中国からの海外渡航が「異常事態」に? 厳しさを増す出入国制限の背景
こんにちは!今回は、現在中国から海外へ渡航することの困難さが増している現状とその背景について、深く掘り下げて解説していきます。
近年、中国国民の海外渡航を巡る状況は、以前とは比較にならないほど厳格化しており、多くの人々に影響を与えています。
「パスポートの新規申請すら許可されない」驚きの現状
ある中国の女性ブロガーが、SNSでその思いを投稿しました。
「最近、中国からの海外渡航について、本当に驚くような話を聞くんです。私も『やっと分かりました。2025年に海外に行くのは、今は本当に難しいんだな』って実感しています。」
彼女が語る通り、現在の中国では、多くの地域でパスポートの新規申請や更新が極めて困難な状況にあります。
例えば、河北省、江蘇省、福建省、広西チワン族自治区など、広範な地域でパスポートの発給が事実上停止、あるいは著しく制限されているのです。これは、過去には見られなかった異常な現象であり、その背景には当局による明確な意図があるものと推測されます。
なぜ?出入国審査が異様に厳しくなっている実態
2024年5月上旬には、中国国内の著名なブロガーも、海外旅行のプロセスが複雑化している現状を報告しました。福建省、江西省、湖南省など、多くの地域でパスポートに関する政策が厳格化の一途をたどっています。
さらに驚くべきは、パスポートを使用して中国に帰国した友人の中には、地方当局からパスポートの取り消しを求められたケースも報告されている点です。
現在、中国からの出国は以前よりも著しく厳しくなっており、多くの国民が国境検問所で予期せぬ困難に直面しています。中には、明確な理由説明もなく、出国を拒否され、引き返された事例も確認されています。旅行ビザを所持していたとしても、出国が一時的、あるいは恒久的に制限される可能性があるという、異常な状況が生まれているのです。
別のブロガーの証言によれば、旅行目的がレジャー、ビジネス、家族訪問のいずれであるかに関わらず、国境検問所ではこれまでにはなかった多数の質問が追加されています。入国審査官は、渡航者の荷物検査に加え、旅程について詳細かつ執拗な質問を行い、さらには携帯電話の情報を徹底的にチェックするケースが頻発しているとのことです。招待状やチャットの記録なども厳しく精査され、わずかでも疑わしい要素が発見された場合、出国が許可されない事態となっています。
実際に、ある女性は出国しようとした際、個室に連行され、1時間以上にわたる尋問を受けたことを証言しています。「なぜタイに行くのか」という質問が繰り返されたと述べており、当局による徹底した出国阻止の姿勢が浮き彫りになっています。
中国国内から海外でのリモートワークを検討している個人にとっても、現状では出国すること自体が極めて困難な状況にあると考えられます。パスポートを準備し、カンボジアへの渡航を計画していたにもかかわらず、搭乗を拒否された事例も報告されており、「もう中国にいた方が良い」という諦めの声も聞かれます。
強化される電子機器検査:国安部の新規定
中国国家安全部は2024年4月、法執行機関が個人の携帯電話やその他の電子機器を調査する権利を大幅に拡大する新たな規制を発表しました。この規制は、中国に帰国する中国人だけでなく、外国人旅行者にも適用されます。
実際、数年前から中国の税関は、入国者の電子機器に対する無作為検査を開始していましたが、今回の規制発表により、これらの行政的および法執行的な手続きが法的な根拠に基づいて標準化されたことになります。これにより、当局による電子機器の検査が、より広範囲かつ体系的に実施されることになると見られています。
米国を拠点とする政治評論家タン・ジョン氏は、中国共産党の最優先事項は、外国からの情報が中国に流入するのを最大限に阻止することであると指摘しています。この動きが、社会全体を厳しく統制し、外部との交流を限定する方向へ進む、一種の**「穏やかな鎖国政策」**を実施しようとする広範な流れの一部であるとの見解を示しています。
「足で投票する」人々:高まる亡命希望者の数
中国からの出国制限の強化は、多岐にわたる要因が複合的に作用していると考えられます。その最たるものの一つは、多くの中国国民が国外へ目を向けているという現状です。
国際人権団体セーフガード・ディフェンダーズが2023年初頭に発表した報告書は、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)のデータに基づき、習近平国家主席の就任以来、中国人亡命希望者の数が100万人を超えたと明らかにしました。特に過去2年間において、中国から逃亡する人々の劇的な事例が数多く報告されており、この傾向は習近平国家主席の就任直後から始まっていたことが確認されています。
2022年だけでも、亡命希望者の数は過去最高を記録しており、これは通常の移民ルートで中国を出国し、亡命を申請しなかった人々を含まない数値です。専門家は、現在の移民増加の傾向を、習近平氏の権威主義体制下で国民が示す**「足で投票する」という行動の、最も明確な例の一つ**であると分析しています。これは、政治的な選択や不満を、選挙などの投票行為ではなく、その国を離れることで表明するという意味です。
これは、習近平氏の退歩的な政策と、中国共産党による統制と恐怖心の高まりが、中国国民への圧力を強めている現状を強く反映しているとの指摘です。多くの中国国民は、もはや現在の中国において、安定した未来を描くことが困難であると認識しているようです。
留学やビジネス渡航も困難に
中国のブロガーの中には、海外旅行の際、空港職員が渡航者を「逃亡者」と疑い、送還する可能性があると警告する声もあります。実際に、韓国の済州島への渡航を予定していた複数の中国人が、瀋陽の空港で搭乗を拒否された事例が報告されています。彼らは拒否後、何が問題だったのかを確認するため地元の警察署や入国管理局を訪れましたが、公式な問題は一切見つかりませんでした。
この事例から導き出された結論は、税関および国境警備局が、渡航者が「逃亡」を企てていると疑う限り、出国が拒否される可能性があるということです。
海外旅行だけでなく、留学やビジネス渡航においても、同様の厳しい審査が行われています。2024年4月15日、あるブロガーが、日本へ向かう学生が国境で長時間にわたる尋問を受けた事例を共有しました。この学生は、中国国内の出入国審査でなんと50分間も尋問を受け、携帯電話、チャット記録、写真なども徹底的にチェックされたそうです。もし何らかの問題が見つかれば、日本への渡航目的が不当であるという理由で出国を拒否される可能性も十分にあります。
一般的に、出国審査で問われる質問は多岐にわたります。例えば、「海外に行く理由」「勉強する専攻」「語学学校の名前と所在地」「中国に戻ってくるのかどうか」などです。これらの質問に対し、回答に迷いが生じると、担当者が上官を呼び出し、携帯電話やチャットの記録、写真などがさらに詳しくチェックされる可能性があります。このような厳しい状況に対応するため、一部の教育機関では、学生が出国前に徹夜でシミュレーションを行うなど、異例の対策を講じているとのことです。
厳格化する入国審査と当局の危機感
出国だけでなく、中国への入国審査も厳格化しています。中国人、外国人問わず、入国者に対する検査が強化されています。
ある証言によれば、海外から香港経由で深センへ帰国した際、香港の空港では入国審査がほとんどなく、質問も一切なかったにもかかわらず、深センに到着すると、パスポートを4、5回も注意深くめくられ、過去の簡単な海外旅行歴も徹底的に調べられたとのことです。さらに、携帯電話に保存されていた旅行写真までチェックされたと述べています。オンライン上では、買い物リストや旅行計画についてまで尋ねられたという、さらに驚くべき事例も報告されています。
米国政府のデータでは、近年、中南米諸国を経由して米国に不法入国する中国本土出身者の数が急増しており、過去最高の数字を記録しています。同様に、ヨーロッパへの渡航を試みる中国人も増加傾向にあります。
このような国民の動きに対し、中国当局は強い危機感を抱いていると見られています。この危機感は、国民の自由な移動に対する統制強化へと繋がり、パスポート発給や出国審査の厳格化に影響を与えています。専門家は、政権の危機感が強まるほど、国民への統制も強化される傾向にあると指摘しています。これは、当局が、多くの国民が現在の中国において安定した未来を描くことが困難だと認識し、国外へ目を向けている状況に対応しようとしていることを示唆しています。
まとめ:揺らぐ自由な移動の権利
現在の中国からの海外渡航は、以前とは比べ物にならないほど厳しい状況にあります。
あなたは、こうした中国の出国制限の強化について、どう思いますか? もしご自身の体験談やご意見がありましたら、ぜひコメント欄で教えてください!
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