こんにちは!今回は、私たちが普段あまり目にすることのない、中国の「結婚」と「独身」に関する、少し複雑で、そして興味深いお話をお届けしたいと思います。
「まさか結婚しないとは」42歳独身女性の苦悩
ある女性が、動画投稿サイトに苦しい胸の内を投稿しました。
「私自身、若い頃は、まさか自分が結婚しないとは思っていませんでしたが、気づけばもう42歳になり、いまだに理想の結婚相手が見つからずにいます。42歳になって、これほど相手探しが大変だとは予想もしていませんでした。現実には、私の交際範囲や年齢が、その難しさを物語っているように感じます。」
彼女はさらに続けます。「正直、男性が年上の独身女性との交際を避ける傾向にあるとは、思いもしませんでした。ましてや私より年上の独身男性は、私の年齢を気にしないだろうと考えていたのですが……。驚くことに中国では、高齢の独身女性に対して、どこか見下すような視線がある、という声も耳にします。」と嘆きました。
あるブロガーの方も、年上の独身女性が結婚相手を見つけるのは「ほぼ不可能」だとまで言っています。
婚活イベントでの衝撃的な会話
では、ここで実際にあったという婚活イベントでの男女の会話をご紹介しましょう。このやり取りから、中国の独身女性が結婚相手を見つけるのがいかに難しいか、少しだけ垣間見えるかもしれません。
女性が尋ねます。「あなたの結婚条件は何ですか? 私は38歳で、家も車も持っています。月収は5,000元(日本円で10万円)です。あなたはどうですか?」
男性は、「私は何も持っていません。」と答えました。すかさず女性は、
「あなたは何も持っていないのに、婚活イベントに参加したいのですか?」と問いかけます。
男性は、「はい。もし私がすべてを持っていたら、このようなイベントには来ません。」と返します。
女性は呆れたように、「冗談でしょう?私があなたのような人に興味を持つと思いますか?」と言い放ちました。
それに対し男性は、「逆にあなたは、どんな人を探しているんですか?」と尋ねました。
女性はきっぱりと答えます。「私は少なくとも身長が175センチ以上で、学士号以上を持ち、家と車があり、安定した仕事を持っている人を望んでいます。」
男性は静かに、「あなたはいくつですか?」と尋ねました。
女性は躊躇なく、「38歳です。」と答えます。
すると男性は、考えさせるように言いました。「あなたは38歳です。なのにあなたは多くの条件を結婚相手に求めます。男性はあなたを選ぶと思いますか?よく考えてください。」と言い放ちました。
「男余り」なのに独身女性が多い? 中国の結婚事情
男性が女性よりも多い「男余り」の時代と言われる中国ですが、不思議なことに、特に都市部では**「年配の独身女性」が多い**のが現状です。その一方で農村部には、2,000万人以上もの未婚男性が結婚相手を見つけられずに困っていると報じられています。
中国国家統計局が発表した2023年の統計年鑑によれば、2022年末時点で、中国には2億6,500万人もの独身者がいます。そのうち、独身女性が1億600万人、独身男性が1億5,900万人と発表されました。
特に、結婚適齢期とされる20歳から49歳の独身人口は1億3,400万人に達しており、**25歳から29歳の未婚率は51.3%**にものぼります。都市部では、30歳前後の若者の約30.7%が未婚であり、結婚を選ばない人が急増している状況です。都市に住む若者の3人に1人が独身であるという現状は、中国社会の大きな特徴となっています。
結婚しない若者が増える背景
このように結婚しない若者が増える背景には、いくつかの要因が存在します。
中国では一人っ子政策により男性の人口が増え「男余りの時代」とも呼ばれていますが、実は、中国では都市部に住む女性の割合が男性よりも高くなっています。具体的には、男性が都市部に住む割合が約69%であるのに対し、女性は73%以上が都市部に住んでいる状況です。
これには、大学進学における男女比率の変化も大きく影響しています。中国教育部のデータによれば、大学における新入生のうち、女性が占める割合は3分の2を超え、一部の地域では70%以上にも達しています。
このように、女性の学歴が向上する中で、特に高学歴の女性が結婚に慎重になる傾向が見られます。例えば、中学校卒業の学歴を持つ女性の結婚率は78%に達していますが、修士号を持つ女性の場合、その結婚率は49%まで低下します。高学歴の女性が都市部に定住し、キャリアを追求することで、結婚を選ばずに独身でいることが増えているのです。
そして中国の伝統的な価値観では、女性は社会的地位や経済状況が自分より低い男性と結婚することを避ける傾向にあります。
ブロガーが指摘する「結婚できない女性」の特徴
中国のあるブロガーは、女性の年齢だけが結婚できない主な原因ではないと考えています。そのブロガーは次のように述べています。
「現代の女性は、付き合ってしばらくすると、急に男性に対して気難しい態度を取ったり、冷たくあしらったりします。時には連絡を絶ち、別れをちらつかせたりすることで、男性が本当に自分を愛しているのかどうかを試そうとするのです。男性は多少のわがままには我慢できますが、度が過ぎると二人の関係に大きな溝ができてしまいます。」
「また、女性は自立していると主張しながら、金銭的な面で男性に過度な負担を強いる傾向があります。男性が給料をすべて使い果たし、借金をしてまで全てを支払うことを期待するのです。まるで彼女たちは『あなたのお金は私のお金、でも私のお金は私のお金』と定義しているようです。」
「さらに、結婚できないと考えている女性は、非現実的な基準を持っています。例えば、自分は月収5,000元(日本円で10万円)なのに、年収100万元(約2,000万円)の男性を求めているのです。自分が短気なのにも関わらず、男性には限りなく寛容であることを期待しています。」
このブロガーは最後に、男性は年齢を理由に女性を嫌うのではなく、有害な性格の人と付き合いたいと思っていないだけだと述べています。
「相手がいない婚活イベント」の衝撃
昨年4月、中国の杭州で1,000人規模の婚活イベントが開催されました。数百人もの女性が参加したにもかかわらず、男性の参加者はごくわずかだったといいます。会場には気まずい雰囲気が漂い、男性の少なさに落胆し、早々に引き上げる女性たちの姿も見られたそうです。
同じ年の12月初旬には、武漢の五つ星ホテルでも同様の婚活イベントが開かれました。美しく着飾った女性たちが約800人ほど参加したのですが、驚くべきことに、男性は無料入場だったにもかかわらず、一人も姿を見せなかったのです。女性は一人あたり3,800元(日本円で約7万6千円)を支払う必要があったとのこと。女性たちは合計で30万元(日本円で約600万円)以上を費やしたにもかかわらず、文字通り**「相手がいない婚活イベント」**となってしまったのです。
この状況はネットで拡散され、様々な声が上がっています。「質の高い男性は婚活イベントに頼らずとも簡単にパートナーが見つかるため参加する必要がない」「経済的に恵まれない男性は、自身の境遇を理解しているため、このような場所には行かない」といった意見が聞かれました。
中国では、女性が男性に家や車、そして高額な**「花嫁費用(結納金)」**を要求することが多いという現状があります。もし男性がこれらを持っていなければ、「なぜお見合いをするのか、恥ずかしいだけだ」といった厳しい意見も聞かれます。
「売れ残り」と呼ばれる人々
北京、上海、広州、深センなどの大都市には、良い教育を受け、安定した仕事に就き、容姿も魅力的な「質の高い年上の女性」が数多くいます。しかし、年齢のせいで、自身の基準を下げてもパートナーを見つけるのが難しいケースが少なくありません。彼女たちは**「売れ残り女性」**と呼ばれています。
一方で、中国には**「売れ残り農村男性」も2,000万人いる**とされています。高額な花嫁費用が、多くの農村部の若い男性がパートナーを見つけられない、または結婚をためらう主な理由の一つと言われています。
例えば、中国メディアの調査によれば、恩納省の農村女性への「結納金」が、2016年の6万8,000元(日本円で約136万円)から、2020年には17万6,000元(日本円で約352万円)へと急騰した例もあるそうです。最新の中央政府の政策文書でも、農村部の高額な花嫁費用の問題を包括的に管理する計画について言及されています。
結婚しない若者の増加と経済的プレッシャー
実は、このような男女比の不均衡は、中国の過去の**「一人っ子政策」**と深く関係しています。1979年に家族計画が始まって以来、多くの家族が出生前に子供の性別を選択したため、男女比の不均衡が生じていました。
しかし、最近では、多くの若い男女がそもそも結婚を望んでいません。経済の減速と失業率の上昇により、多くの普通の若者が結婚を恐れているのが現状です。裕福な若者でさえ、結婚にかかる費用を心配しているほどです。中国では、結婚も出産もしないことを選択する若者が増え続けているのです。
『2024年中国人口・就業統計年鑑』のデータによると、30歳男性の未婚率は約39%で、2013年から約20%も増加しています。30歳女性の未婚率は20%で、こちらも10%増加しました。さらに、25歳では約73%が未婚、20歳男性の未婚率は80%、25歳女性の未婚率は64%にも上ります。
中国民政部が発表した2024年第1四半期の最新データによれば、婚姻届を提出したカップルは180万組で、前年同期より15万9,000組も減少しました。離婚届は63万組で、こちらも前年同期より5万7,000組増加しています。2024年通年では、婚姻届の数は600万組を超えると予測されており、2023年の770万組から150万組減少する見込みです。これは、ピーク時の2013年の1,300万組と比較すると半数以下、実に45年間で最低の数字となる見込みです。
メディアの取材に応じた20歳の女性は、「私は結婚する予定はありません」と語っています。彼女は結婚を「家や車を購入し、子どもを産むこと」だと考えており、こう続けます。「今、私の能力はあまりなく、家庭環境もあまりよくありません。もし家を買って結婚するなら、必ずローンが必要になります。ローンは借金です。私はその必要はないと思っています。」
また別の若者は、「実際、結婚したいとも思っていません」と打ち明けています。「今は社会のプレッシャーが非常に高いと感じますし、収入もあまり多くありません。ただでさえ自活するのが難しいのに、どうすれば結婚できるでしょうか?」
男性の視点から見ても、結婚へのプレッシャーは非常に大きいようです。「両親を養い、結婚して子どもを産まなければなりません。両親や子どもどころか、自分自身も養うことができません。結婚するには、車、家、花嫁費用が必要です。私たちのような一般人には、そのための経済力がありません」という切実な声も聞かれます。
これらの声は、現代中国の若者たちが直面する経済的困難と、それによって変化する結婚観を如実に示しています。
まとめ:複雑に絡み合う結婚の課題
ここまで、中国の複雑な結婚事情について見てきました。都市部の「年配独身女性」、農村部の「売れ残り男性」、高騰する「花嫁費用」、そして経済的なプレッシャーから結婚を選ばない若者たち。さらには、かつての「一人っ子政策」が現代の男女比の不均衡に影響を与えているという側面まで、さまざまな要因が絡み合っていることがお分かりいただけたかと思います。
結婚は、個人の選択であると同時に、社会や経済、そして文化的な背景が大きく影響するものでもあります。
この記事を読んで、あなたはこれらの現状についてどう思われましたか? そして、もしあなたが中国の若者たちと同じ立場だったら、どのような選択をするでしょうか?
ぜひ、コメント欄であなたのご意見や感想をお聞かせください。
コメント