近藤真彦監督、9年ぶりの歓喜の絶叫!ZとGT-Rが東北の地で大活躍!
秋風が吹き始めたここ東北の地で、スーパーGT第5戦SUGOは、多くの人々の胸を熱くするドラマを生み出しました。 特に注目を集めたのは、KONDOレーシングです。GT500クラスで実に9年ぶりとなる優勝を果たし、チームを率いる近藤真彦監督が感極まった姿は、多くのファンの感動を呼びました。しかし、この感動はGT500クラスだけにとどまりません。GT300クラスに参戦する「リアライズ日産メカニックチャレンジGT-R」も、厳しい戦いを乗り越え、見事2位を獲得。日産販売会社のメカニックや、日産自動車大学校の学生たちの熱い眼差しが見守る中、秋のSUGOサーキットには、勝利への熱気が渦巻いていました。
厳しいハンディキャップを乗り越えた56号車
予選日は肌寒さも感じる秋晴れでしたが、GT300クラスの56号車「リアライズ日産メカニックチャレンジGT-R」にとっては、89kgという重いハンディウェイトがのしかかる、非常に厳しい戦いとなりました。例年であれば重いマシンでも圧倒的な速さを見せていた56号車ですが、今シーズンは燃料リストリクターの影響もあり、なかなか思うようにいかない展開が続いていました。
予選のQ1を担当したJ.P.オリベイラ選手、そしてQ2を担当した平手晃平選手の力走により、予選結果は7位。一見すると満足のいく順位ではないように思えますが、チーム関係者はこの結果に満足していると語ります。
「やはり重いマシンでしたので、目標はシングルスタートでした。ですので、この結果には本当に満足しています」と語るチーム関係者の言葉からは、この順位が単なる結果ではなく、チーム戦略を遂行した上での価値あるものだったことが伺えます。
予期せぬアクシデントも味方につけた力走
決勝がスタートすると、56号車は驚くべき速さで順位を上げていきます。わずか9周目には3位まで浮上し、ピット内からは大きな歓声が上がりました。このままトップ争いに加わるかと思われましたが、その後はFCY(フルコースイエロー)や、クラッシュによる赤旗中断など、波乱の展開に。
ドライバーの二人も鬼気迫る猛プッシュを続け、狭くテクニカルなSUGOでハンディウェイトの影響を受けながらも、その走りは見る者を圧倒するものでした。しかし、約1時間にわたる赤旗中断により、レースは延長時間の限界である16時30分が迫る緊迫した状況に。16時過ぎにようやくレースが再開されると、56号車は最終ラップまでトップ集団とつかず離れずの接近戦を繰り広げます。
最終的に順位を落とすことなく2位でフィニッシュ。周囲からは「素晴らしい結果だ」と称賛の声が上がりましたが、チームとしては「外的要因がなければ優勝も狙えた」と、さらに高みを目指す姿勢を見せていました。しかし、次戦オートポリスではハンディウェイトが半減、最終戦もてぎではウェイトがなくなることを考えれば、このSUGOで貴重なポイントを獲得できたことは、シリーズを戦う上で非常に大きな意味を持つことでしょう。
歴史的勝利の瞬間、監督の絶叫が響き渡る
そして、このSUGOはKONDOレーシングにとって、まさに忘れられない記念すべきレースとなりました。GT300の56号車と共に戦ってきたGT500の24号車「リアライズコーポレーションADVAN Z」が、なんと9年ぶりのGT500クラス優勝を飾ったのです。
レース終盤、2位を走る24号車は、トップの39号車を射程圏内にとらえ、刻々とフィニッシュの時間が迫る中、名取鉄平選手の若々しくも果敢なアタックが続きます。そして、運命のファイナルラップ。ついに24号車がトップに躍り出た瞬間、ピットで戦況を見守っていた近藤監督は飛び跳ねて「よっしゃぁぁぁーーー!」と絶叫し、力強いガッツポーズを決めました。
そのそばで感極まる松田次生選手の姿もあり、監督と選手、そして関係者全員が熱い抱擁を交わしました。ニスモの真田裕社長や、ニスモ総監督の木賀新一氏とも熱い握手が交わされ、メカニックたちも歓喜のあまりコースへと走り出すほどでした。
その後、GT300の56号車のチェッカーをピットレーンで温かく見守った近藤監督は、取材に対し「皆さん、お待たせしました!」と語り、勝利の喜びを率直に表現しました。この歴史的な一戦は、チームを支えた日産販売会社のメカニックや、日産自動車大学校の学生たちにとっても、忘れられない感動的な経験になったことでしょう。サーキットでしか味わえない、勝利の喜びとチームの絆が凝縮された、まさに特別な一日となりました。
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