急成長する中国のEV市場に潜む「光と影」──加速する技術の裏側で、今何が起きているのか?
皆さま、こんにちは。
本日は、世界の注目を集め続けている中国の電気自動車(EV)市場について、その急速な発展の「裏側」に焦点を当てたお話をお届けしたいと思います。
電気自動車といえば、環境への配慮、未来の移動手段として期待が寄せられる一方で、近年中国国内では、安全性や製品品質に関する不安な報道も相次いでいます。こうした影の部分に目を向けることは、EVの本当の姿を見つめ直すために欠かせない視点だといえるでしょう。
突然暴走したEV──展示場での衝突事故が示したもの
2025年4月13日、中国メディア「中華」などの報道によると、新余市で開催されていたモーターショーにおいて、ファーウェイが製造した電気自動車「iM7 Pro」が突如として制御不能に陥るという深刻な事故が発生しました。
展示されていた同車両は、いきなり急加速したかと思うと、右方向へ大きく進路を変え、周囲に展示されていた他の車両に次々と衝突。結果として、4台が損傷し、1名が負傷する事態となりました。
ファーウェイ側はこの件について、「誤ってモーターが始動してしまい、さらにドライバーがハンドルを切ったため、自動緊急ブレーキが作動しなかった」と説明。しかし、公開された監視カメラの映像では、明らかに車両は低速から急加速している様子が確認されており、「アクセルを踏み間違えても停止するはず」と過去に同社副社長が述べていた発言とも矛盾しています。
また、「シートベルトを装着していなかったためにブレーキが作動しなかった」とする説明にも疑問の声が噴出。専門家の間では、「これは一般的な車両の挙動とは異なる」として、さらなる安全性の検証が求められています。
相次ぐ火災と衝突事故──EVの「脆さ」が露呈する場面
展示場での事故に加え、近ごろではEVを輸送中のトラックが火災を起こし、積載されていた複数の車両が焼失するという事故も発生しています。運転手は消火活動を試みたものの、急速に燃え広がる火炎を前に、やむなく避難せざるを得なかったと伝えられています。
さらに別の事例では、中国の自動車メーカー「BYD」のSUVが大型トラックと衝突。車両前部は完全に潰れ、直後には濃い煙が立ち込め、最終的に車全体が燃え尽きてしまいました。
同様に、「中国版テスラ」とも呼ばれていたEVメーカー「NIO(ニオ)」の車両も、ほぼ原型を留めないほど焼損した映像がSNS上に拡散され、多くのネットユーザーが「これほど被害が大きくなるのはなぜか?」と疑問を呈しています。
安全性への疑念と高まるユーザーの不信感
ファーウェイとチェリーが共同開発し、月間1万台以上の販売実績を誇る人気車種「Luxeed R7(ラグシード R7)」にも、ユーザーから多くの不満が寄せられています。
「リアハッチが開かない」「ワイパーに手を挟みそうになった」といった具体的な苦情が挙がっており、「これが中国EVの現実だ」と嘆く販売店オーナーの声も報道されています。
さらに、4月12日には高層住宅地域の駐車場でEVを含む多数の車両が火災に巻き込まれ、建物ごと炎上するという大規模な事故も発生。現場では爆発音も響き渡り、多くの住民が一瞬にして大切な住居や財産を失いました。
批判封じと表現の自由の危機
Xiaomi(シャオミ)のEV「SU7」を巡っても波紋が広がっています。ある人気ブロガーが他社製EVと比較する内容の動画を投稿したところ、Xiaomiから名誉毀損で訴えられ、当局により一時拘束されるという事態にまで発展しました。
また、自動車整備工場を経営し「ドラゴンブラザー」としてSNSで知られる人物は、自動車メーカーの不備を正直に告発した結果、約100万元(日本円で約2,100万円)もの損害賠償を請求されたと告白。これが3度目の訴訟だと述べ、国産EVの整備業務がいかに高リスクかを訴えました。
一方、BYDは2021年末から「批判的な投稿」に対して徹底的な対処を始め、最大500万元(約1億500万円)という高額な損害賠償請求を示唆。さらに、批判者を探し出すための専門部署まで設けたという事実には、多くの人々が「言論封じ」「情報統制」ではないかと疑問を抱いています。
事故対応と誇張された広告──EVメーカーの姿勢に問われる「責任」
ファーウェイの車両「アークフォックス」が火災を起こした際には、メーカーのスタッフが消防の許可なく車両エンブレムを外し、さらに黒い布で覆い隠すという不自然な対応が目撃されました。
また、一部のメーカーは「自動運転支援システムがあるから安全」と謳いながら、実際にはその技術レベルや動作内容に曖昧な点が多く、安全面での信頼性に疑問符が付けられています。
中には「運転中にゲームをした」「助手席でマッサージを楽しんでいた」「子どもを助手席に座らせて、自分は後部座席でスマホを操作していた」といった常識外れの行動をとるドライバーの姿も確認されており、過信の危険性が懸念されています。
派手な宣伝の陰で置き去りにされる「基本的な安全性」
電気自動車の魅力としてよく取り上げられるのは、その加速性能やスタイリッシュなデザインです。しかし一方で、急加速する高性能なEVに対して十分な運転技術を持たない若年層ドライバーの利用が増えているという点が問題視されています。
車両のバンパーがもろく、数年で錆が出るといった品質上の指摘も見受けられ、「派手な機能に注力する一方で、基本的な安全設計がなおざりにされているのではないか?」という疑念が消費者の間で強まっています。
最後に──「未来の車」を問う私たちの目
今回ご紹介したように、中国の電気自動車市場は目覚ましい成長を遂げている一方で、重大事故やメーカーの対応を巡る問題、そしてユーザーや整備業者への圧力など、決して見逃せない課題を抱えています。
EVは確かに未来の乗り物として希望を託される存在ですが、その前に「安全であること」「信頼できること」が何よりも重要であるはずです。
皆さまは、このような現状をどう受け止められますか?
急速に進化するテクノロジーと、その背後にある社会的な課題──
どうか、皆さまのご意見やご感想をコメント欄でお聞かせください。
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