最近、ミリタリーファンを大笑いさせる、中国のニュースがネット上で話題になっています。
先日、中国人民解放軍(ちゅうごくじんみんかいほうぐんが、軍の最新装備として、電動バイクブランド・ウーヤンの電動三輪車を発表・自慢したのです。
配備されたウーヤンの電動三輪車は、中国で農村で働く住民が、日常の足として使うモデルとほとんど変わりません。
ある中国の農業従事者はSNSで「私は、毎日これを使って市場に行ったり、畑で肥料をやったり、農作業をするので、思わず笑ってしまった」と投稿しました。
配備した軍の上層部は、農村の足として有名なこの3輪車を、緑色に塗っただけで、どうして突如、最新装備に変身すると思ったのでしょう?
ある中国の部隊は、この電動三輪車を赤いリボンで飾り、大規模な引き渡し式を行ったと報じられています。
ある中国のミリタリーファンは、この新装備に「全地形対応・サイレント戦術兵器システム」という素晴らしいな名前を付けました。
そのネーミングにより、この質素な三輪車の地位は一瞬にして、最新レベルの装備レベルにまで上昇したように見えます。
人民解放軍の報道担当は、中国のソーシャルメディアにメッセージを投稿、
「三輪車は一見、安価な装備に見えるが、その実用価値は高く、輸送の最後の砦としてかけがえのないものだ」と述べました。
装備費用は1円たりとも無駄にせず、支給された装備は、実際に活用しなければなりません。
備品購入担当は、全力を注ぎ装備を選択した事を自慢することで、党と人民の信頼に応えたと思っているのでしょう。
しかし新装備として、この電動三輪車をみたあるアナリストは、「どれが新しい装備だって?
軍備の為の資金の多くは、おそらく軍幹部の懐に入り、実際の装備に使うお金がないのだろう。」と述べました。
アナリストは更に「装備担当者は、安価な電動三輪車で数を補っているように見せているだけだ。
オンラインで購入できる、わずか数千元(日本円で10万円前後)の電動三輪車が人民解放軍の兵器の一部となった今、価格が急騰するのではないか。」と冗談交じりに語りました。
電動三輪車が立派な装備として納入されれば、余った資金が上層部に流れ込みます。彼らにとってこれは、まるでお金の成る木です。
装備担当者が、ミリタリーグリーンに塗装して軍装備品と呼べば、どんなものでも、その価値はたちまち上がります。
一部の中国メディアでは、この新装備を称賛、「全地形対応・サイレント戦術兵器システム」は強力で多用途だと報じました。
この三輪車は、あらゆる地形を静かに移動できると主張、控えめでありながら素晴らしい装備だと表現。
軍の物資、武器、弾薬を積めば、この三輪車は武器の移動式・補給地点として機能し、
調理器具を装備すれば、兵士の食料供給のニーズを満たすこともできるとしています。
この電動三輪車を米軍の急降下式サイレント戦術エネルギー強化降車システム
米国のシステムは時代遅れで、100年前の中国の手押し車に似ているとしている。
さらにあるメディアは、世界的に高く評価されている米国サイレント・タクティカル・エナジー社の全地形対応の電動ペイロード・モビリティプラットフォーム、
STEED(スティード)ミリタリーカートと比較、米国のシステムは時代遅れであり、100年前の中国の手押し車のようだと主張。
このメディアによると、中国の電動三輪車は、性能と実用性の両方で米国のSTEED(スティード)ミリタリーカートを上回っていると述べています。
ある中国のSNSユーザーは、三輪車に拡声器を設置して銃声を爆音で鳴らし、大規模な前進部隊のような錯覚を起こして敵を怖がらせるなどの戦術的応用を提案しました。
別のユーザーは、電動三輪車の不格好で時代遅れの外観は、敵に装備を過小評価させ油断させるため、
人民解放軍に三輪車を装備させることは、逆に賢い戦略かもしれないと冗談交じりに述べました。
軍事アナリストによると、人民解放軍の三輪車への愛着は陸上の車両だけにとどまらず、空の装備にも及んでいるいいます。
中国人民解放軍の特殊部隊では「ハンティング・イーグル」と名付けられたオートジャイロを使い、様々な訓練を行っています。
中国メディアの報道によれば、これらのオートジャイロ機は2〜3人の兵士を運ぶことができ、離陸重量は約500キログラム。
離陸距離が短く、上昇と下降のスピードが速く、、最高速度時速185キロメートルの高い機動性などの利点を称賛。
600キロメートルの航続距離と、最高2000メートルまで上昇し、緊急任務における迅速な対応に理想的である宣伝。
更に空対地ミサイルを装備すると、ハンティング・イーグルは、戦車に大きな脅威を与えると同時に、簡単に標的を破壊することができるとされています。
しかしオートジャイロは、前進することによる風の力で、回転翼を回転させて揚力を得る航空機で、
ヘリコプターと同じく回転翼機に分類されますが、回転翼はフリーになっており、
前方からの風で風車のように回転するだけであり、基本的に動力は繋がっていません。
第2次世界大戦後、ヘリコプターが実用化されると、オートジャイロを運用する国はほとんどなくなっています。
韓国ではいまなお、都市部の一部消防組織が使用しているようですが、ヘリのようにホバリングもできず、
消火剤などの積載量も多くないため、このほかに同様の事例はあまり見られないようです。
しかし中国では、オートジャイロ機の運用コストは、1台あたり約10万元(日本円で約210万円)と、
ヘリコプターの何分の1かにとどまるため、
軍の調達部門においては人気の選択肢となり、中国軍の装備品ラインナップの不可欠な装備となっています。
むき出しの骨組みだけで出来たオートジャイロは、人民解放軍の長年の原則である「すべての人は兵士である」という考えを表しているのかも知れません。
「ハンティング・イーグル」と名付けられた、オートジャイロに乗ったの兵士は、
制服を脱ぐことですぐに民間人に溶け込み、敵が彼らを特定するのを困難にすることができます。
軍事アナリストは、中国の漁船乗組員は、中国人民解放軍・海軍との連絡を維持、監視を行い、
情報収集を行い、非公式の軍事任務を遂行するなど、中国のより広範な海軍部隊の一部として活動することが多いと話します。
彼らが民間人であるため、他国の軍隊や、日本の海上自衛隊・海上保安庁は、対応する方法が複雑になっているというのです。
2024年10月11日、フィリピンの漁業水産資源局は、南シナ海のパグアサ島付近で11日、海上パトロールをしていた当局の船が、
中国の(中国軍の関与が疑われる集団)“海上民兵”が乗った船に「故意に横から衝突された」と発表しました。
2021年3月には、フィリピンが中国と領有権を争う、南シナ海の自国排他的経済水域(EEZ)に、
200隻を超える中国漁船が集結。
フィリピン側が「海上民兵が配備され、軍事拠点化を進めている」と批判するのに対し、中国側は「根拠のないいかなる推測も無駄だ」と反発しました。
2020年3月30日には、鹿児島県・屋久島の西約650キロ・メートルの公海上で、海上自衛隊佐世保基地所属の護衛艦「しまかぜ」に、中国漁船1隻が衝突。
この衝突で、しまかぜの左舷には縦20センチ、横1メートルの穴が開きました。
幸い、しまかぜは自力での航行を継続出来、しまかぜの定員・約260人には、けが人など出ず、
中国漁船の13人もけが人や、行方不明者がいるとの情報はありませんでした。
またアナリストによれば、中国の空母は別の課題に直面しているといいます。
遼寧(りょうねいは航行のさい、かなり濃い煙を排出することで知られ、冗談交じりに「姿を隠すためのスモーク機能を持っている」と話す専門家もいます。
2021年7月、アメリカ・ニューヨークを拠点とする中国語のニュースウェブサイト「ドゥオウェイニュース」は、
中国初の純国産・空母「山東」の甲板が、破損しているのではないかと、ネット上で物議を醸したと報じました。
はじまりは、中国の軍事動向に注目しているという、人物が撮影された衛星画像を張り付けた上で、
「山東」の艦載機離陸位置周辺や、着陸帯上の飛行甲板が著しく損傷しているのではないかとSNSに投稿したことでした。
これを見た海外のネットユーザーは、「飛行甲板が著しく破損している上、破損部分から甲板が薄い一層構造になっていることが見て取れる」、
「基準を満たさない鋼材が使われていたせいで、艦載機のJ-15が長期間にわたり離着陸を繰り返す衝撃に耐えられなかったのではないか」など設計上の欠陥を指摘する声があがりました。
イギリス国際戦略研究所が発行した『2023年ミリタリーバランス』によると、中国人民解放軍の正規軍は203万5千人と推定されており、世界最大の常備軍です。
ユーモアと皮肉に包まれたこの動画ですが、中国の軍事力に対するあなたの見方は変わりましたか?
また電動三輪車が最新の軍事装備として発表されたことについて、どう思いますか?
最後に、この記事を読んでくださった方々に感謝申し上げます。
また次回の記事でお会いしましょう!
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