最近、頻繁に起こる中国EVのブレーキ故障問題は、中国テクノロジーの華やかな外観にある背後の現実を露呈しています。
事の発端は昨年11月、同日に約100台のシャオミ・SUセブンが、衝突事故を起こした事です。
世間が動揺に包まれる中、シャオミのCEO、レイ・ジュン氏は、この事故を単なるシステムバグだと片付けました。
そして、さらに憂慮すべき出来事が昨年末に浮上しました。
ゼネラルモーターズ傘下のブランド、中国・シャンチートンヨンウーリン汽車のブランドのひとつ、
バオジュンのEVに乗るドライバーたちが、下り坂でブレーキが故障するという恐ろしい事故を報告したのです。
あるドライバーは必死にハンドルを切り、ハンドブレーキを使いかろうじて車を停止させました。
また別のケースでは、女性ドライバーが懸命にブレーキを踏んだにも関わらず、車は減速せず、
他の無関係な2台の車と衝突してようやく停止したという事です。
その後のメーカーの公式回答は、単にソフトウェアの不具合がブレーキアシストを弱めたと発表しただけでした。
メーカーは、問題解決として、影響を受けた所有者に補償金として、わずか1000元(日本円で約21000円)を提供すると。
納得が出来ない当事者は100人にものぼり、メーカー訴訟を起こそうとしていましたが、
彼らが問題をエスカレートする前に、その集団はいつのまにか解散させられたという事です。
この件では、中国でも多くの人が怒りを表明「何百台もの車が一度に故障するなんて凄い、おそらく世界初だろう」と皮肉りました。
さらに別の人は「この点で中国はテスラより少なくとも1世紀は進んでおり、あらゆる点で最悪な方向へ進んでいる」と述べました。
自動車アナリストは、なぜ中国では一番重要なブレーキを、
バグに遭遇する可能性があるソフトウェアで制御する必要があるのか、まったく理解できないと述べています。
そして今年の1月には、同じ日に500台の車が同時に故障するという、大変な事件が起きました。
中国でも他社を圧倒し、自社の車の性能を自慢しているBYDは、今年1月9日の朝、
同社のアプリシステムに不具合が発生、オーナーたちは車を動かすことが出来なくなりました。
浙江省・杭州市に住むBYDの所有者は、目を覚まして出かけようとしたとき、BYDのアプリがまったく応答せず、
車のロックを解除できなかったとメディアに語りました。
スマートフォンを使用し、車にアクセスする便利さに慣れている多くの人々は、物理的なキーを持っておらず、
なす術もなく、朝のラッシュアワーで、最終的に仕事に歩いて行くことを余儀なくされた人さえいました。
中国のSNSでは、すぐに苦情や不満で溢れ、多くのユーザーがBYDアプリのクラッシュについて不満を述べていました。
あるユーザーは、怒りと信じられない気持ちをSNSで表明。「これが中国が誇る製造業なのだろうか。
BYDの車のキーは自分の管理下にあるはずなのに、今ではメーカーのネットワークに頼らざるを得ない。」と述べました。
年明けにはまた、高度運転支援システムを搭載した、ファーウェイの複数のEVが突然、故障、
同社のシステムを過信し、車に運転を任せていたドライバーの多くが赤信号を無視したため、
多数のドライバーが、交通違反として6点の減点と、200元(日本円で約4300円)の罰金支払いに直面しました。
また、中にはファーウェイが自慢する「自動運転技術」を信じたばかりに、衝突事故を起こしたと嘆く人もいます。
事故に遭った女性は「私はブレーキを踏んで、トラクターとの衝突を避けましたが、トラクターの横から小さな車が現れ、結局、衝突してしまいました。」と動画を投稿。
別の男性は「私はファーウェイの運転支援システムを使用していましたが、車は赤信号を無視して衝突を引き起こしました。
ファーウェイ・カーソリューションBU会長のユー・チェンドン氏は、運転支援システム作動中に、
ファーウェイのEVが衝突することは、ほとんど不可能に近いと主張、いつも自慢しています。
しかし実際、ファーウェイ「アイト M9」の、運転支援システムが動作していても、
運転中は常に集中力を維持し赤信号を無視する勇気が必要です。
私は、交通違反として6点の減点と、200元(日本円で約4300円)の罰金支払いに直面しました。
今日、事故が起きた同じ交差点に行きました。右折を待っていましたが、運転支援システムが赤信号を検出。
車は減速したので、運転支援システムに任せていましたが、車は赤信号にも関わらず動き出し、曲がり始めました。」と語りました
別の女性は「私は怒り狂っています。今朝、ファーウェイのスマート運転システムを使用しているときに、赤信号を無視しました
システムは赤信号を認識し、最初は減速しましたが、他の車が動いているのを見て
急にスピードを上げて赤信号を無視しました。」とお怒りのようです。
衝撃だったのは、このネットの声に反応したファーウェイ・カーソリューションBU会長・ユー・チェンドン氏の発言でした。
ユー会長は「私共の運転支援システムには問題がありません。中国の信号システムに問題があるのです。」と語ったのです。
ユー会長の発言を聞いた中国のネットユーザーはすぐさま反応、
「おそらく、親族が経営を牛耳る、車に経験の浅い新興企業だからこそ、この混乱を引き起こしたのだろうと。」皮肉交じりに投稿しました。
今日の熾烈な競争の自動車市場では、BYDでさえ利益を維持するのに苦労しています。
では、車自体が大きな収益をもたらさない場合、解決策は何でしょうか?
答えは、バッテリーから速度制限やリモート機能まで、アプリとネットワーク技術を介した消費者の完全な制御にあり、これらはすべてクラウドフィードを通じて収益化できるようになりました。
ある車の所有者は新エネルギー車に8万元を費やしましたが、バッテリーが故障しただけで天文学的な18万元の修理費に直面しました。
中国EVのスマート運転システムは、ドライバーを赤信号に誘導する一方、
購入した車のバッテリーの所有権さえ、奪っていると言います。
昨年12月、中華・四川省成都市の何百人ものドライバーが、何年も前にジーリーのEVを購入したが、
その時、ディーラーはバッテリーに関する所有権の問題について何も言及しなかったと苦情を述べました。
オーナーは、メーカーからバッテリーの動作制限を解除するには、追加で5万元(105万円)を支払う必要があると言われたそうです。
そうしなければ、メーカーは遠隔操作で車両の航続距離を制限したり、速度制限をかけたりするのだと言います。
あるオーナーはメディアの取材に「この車はすでに速度制限がかけられている。速やかに支払いが必要です。
成都市の第三環状線を運転中、彼らは私の車のコンピューターを乗っ取りました。
突然、速度が時速100キロメートルから時速40キロメートルに低下、まるで急ブレーキがかかったと思いました。
当時、車には他の乗客がいました。その後も、私の車は2回も速度制限がかかりました。
メーカーは私にバッテリー交換の署名を強要しました。結局、ロックを解除することに同意しました。
最初は納得できず警察に連絡し、メーカーは車のロックを解除しましたが、安堵は長くは続きませんでした。
彼らは今度は通知もせずに再び車をロックし、直接速度制限を課しました。
この事件は地元のテレビ局で報道されましたが、最終的にEVメーカーに少しの動揺を与えることはできませんでした。
誰がこのEVメーカーにこのような傲慢さを許しているのでしょう?
そのEVメーカーは、ボルボなどを傘下に持つ、ジーリー・ホールディンググループのブランドでした。
ジーリー・ホールディンググループ創業者の李書福は、中国共産党の習近平総書記が
「吉利を支援せずして、どの企業を支援するのか」と述べるほど、親しい間柄にあるとされています。
ジーリーの5台連続の衝突安全テストは、大衆向けの、馬鹿げたパフォーマンスにすぎないことは明らかです。
ビデオでは、8トントラックが150メートル離れたところからスタート、時速40キロのスピードで5台のセダンの列に衝突しています。
しかし前方にあるいわゆる壁は、レンガを積み重ねただけのもので、隙間はセメントで塞がれていませんでした。
ボルボを買収しても、ジーリーの車が頑丈になったわけではありません。
ボルボのように、本当の正面衝突試験を実施して、本当の安全性がどのようなものかを見せて欲しいものです。
1月6日、午後1時11分頃には、浙江省・寧波市の交差点で、シャオミのEVによる事故が発生。
顧客に車のデモンストレーションをしていたシャオミの販売員が、一般道路を走行中、
車が赤信号で止まるという、同社の運転アシストシステムを披露することにしました。
結果はどうなったでしょうか?彼らは、赤信号を無視した別の車に衝突してしまったのです。
寧波市・交通警察の報告によると、負傷した運転手は病院に運ばれ、事件はまだ調査中です。
中国が自慢する最先端技術が、中国の混沌とした交通文化に出会ったとき、そこに残っているのは残酷な結末です。
あなたは、中国EVのブレーキ故障やスマートシステムの不具合について、どうお感じになりましたか?
また、新しい技術の導入と安全性のバランスは、どのようにあるべきだと思いますか?
最後に、この記事を読んでくださった方々に感謝申し上げます。
また次回の記事でお会いしましょう!
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