【中国南部で発生した記録的豪雨と洪水】被害の実態と私たちが考えるべき課題
皆さま、こんにちは。
今回は、2025年6月18日以降、中国の広い地域で降り続いている、かつてないほどの記録的な豪雨と、それに伴う深刻な洪水災害についてお伝えいたします。
■ 記録を塗り替える豪雨、次々と氾濫するダム
6月18日より、中国南部では猛烈な豪雨が断続的に続いており、観測史上最大級の雨量が記録されています。とりわけ童貞系と呼ばれる流域、霊水を中心とした地域では、多くの貯水池やダムで水位が危険水準を大きく超え、各地で氾濫の危機が高まっています。
端高発電所や門ダムといった重要施設も、安全確保のために大量の放水を余儀なくされましたが、その放水量がダムの処理能力を上回り、結果として310か所以上のダムと貯水池が氾濫の危険にさらされていると伝えられています。
■ 洪水による深刻な被害と人命の喪失
特に被害が集中しているのは、古南省、機種省、厚生治安族自治区などで、中国当局は2025年に入って初めて、最も警戒レベルの高い「積法」を発令する事態となりました。残念ながら、この洪水によって複数の方々が尊い命を失われたとの報道もあり、心よりお悔やみ申し上げます。
ネット上に投稿された動画では、霊水流域にあるダムが水没し、近隣の発電所が今にも崩壊しそうな状況が映し出されています。地元住民の王さんは不安な表情で次のように語っています。
「いくつもの発電所が崩れかけていて、結局困るのは私たち一般の市民です。水はダムの上からあふれ出していて、もはや水門を開ける必要もありません。あのダムが壊れたら、私たちの町は一瞬でなくなってしまうでしょう。」
■ 洪水のピークと各地に広がる浸水被害
2025年6月19日午後1時40分、霊水では今年最初の大規模な洪水が発生しました。上流の観測地点である装飾水文駅では、洪水のピーク時の水位が262.38メートルに達し、これは保証水位を2.38メートル上回るものです。この時の流量は毎秒7300立方メートルに達し、1998年以来最大規模の洪水であったことが判明しています。
この洪水により、団地は泥水に浸かり、車両が流され、電柱の上まで水に覆われるといった被害が発生しました。
■ 商業施設や果物店も壊滅的被害
地元の果物店のオーナーは、被害の様子を次のように語っています。
「融資を受けて仕入れたばかりの商品がすべて水に流されてしまいました。避難の指示が出て、何も持たずに逃げるしかありませんでした。たった1時間で水が店内に流れ込み、在庫だけでも80万元（約1600万円）の損失です。命が助かっただけでも幸いでしたが、これではもう立ち直れません。」
さらに、県内にある大型スーパーマーケット「フルーツワールド」も完全に浸水し、売り場面積1000平方メートル以上の商品をすべて廃棄せざるを得ない状況に。オーナーは150万元（約3000万円）を超える損害と語り、スタッフは現在も懸命な復旧作業を続けています。
■ 交通の寸断と孤立する地域
6月20日午後には、豪雨による土砂災害により、小道518号線の一部が深刻な崩壊に見舞われ、道路が完全に遮断されました。また、一部地域では川が堤防を超え、家屋が浸水。仮設の橋や歩道鏡も洪水によって流され、交通インフラが機能しない状態に。
釣化開始自立県では、川の水位が堤防を越える恐れがあり、住民たちは常に不安と緊張の中で生活を余儀なくされています。
■ 貯水池の老朽化と管理体制の課題
古南省には現在約1万3700箇所の貯水池が存在し、そのうち3519箇所が「危険な状態」にあるとされています。特に1950年代～70年代に建設されたものは、「おから工事」とも称されるほど構造的に脆弱なケースが多く、集中豪雨のたびに災害の引き金となっています。
問題なのは、貯水池の管理者が政府関係者である一方、住民の生命や財産に対しての責任を直接負っていない点です。災害時には「ダムを守る」ことを優先する傾向があり、その結果として人命や財産への損害が生じても、責任が問われにくいという指摘があります。
■ 専門家の警鐘と「人災」の可能性
こうした背景から、一部の専門家は「これはもはや自然災害ではなく、人為的な災害の側面もある」と警鐘を鳴らしています。特に、洪水の多くが「夜間に突然放水される」といったケースが多く、避難の時間すら与えられないこともあります。
一方で、災害後の原因調査の権限は政府にあり、一般市民が自分たちの権利を主張することは非常に困難です。そのため、真実を語る専門家が抑圧されることもあるといいます。
■ 山地地形とインフラの限界、そして気候変動
古南省は山が多く谷が深い地形で、4本の主要な川が湖へと流れ込みます。とくに西部と南部の山岳地帯では、豪雨によって水流が急増し、ダムの放流とあいまって調高地域での洪水被害が悪化しています。
また、2003年に運用開始された三峡ダムの影響により、上流からの水量調節が下流の洪水や干ばつの発生に拍車をかけているとする研究結果もあり、「長江の腎臓」とも呼ばれる童貞湖は、その機能を年々失いつつあります。
■ 最後に：この災害は本当に防げなかったのか？
今回の中国南部を襲った大規模な洪水は、単なる自然の猛威ではなく、インフラの老朽化、管理体制の不備、そして気候変動といった多層的な要因が絡み合った「複合災害」である可能性が否定できません。
被災された皆さまの生活が一日でも早く平穏を取り戻せるよう、心よりお祈り申し上げます。
この災害は、避けられなかった運命だったのでしょうか？
それとも、備えや管理責任の在り方次第で防ぐことのできた「人災」だったのでしょうか？
ぜひ、皆さまのご意見をコメント欄でお聞かせください。
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