【中国南部の大規模災害】橋の崩落と記録的洪水がもたらした衝撃と救助の奇跡
2025年6月24日午前7時頃、中国・奇州省陽光県を通る高速道路で、信じがたいような重大な事故が発生しました。SNS上では、「遠行川にかかる橋が突然崩落した」との衝撃的な情報が瞬く間に拡散され、現地の混乱ぶりを映した動画が次々と共有される事態となりました。
その動画には、走行中だった大型トラックの前方部分が橋から崩れ落ち、後方部分だけがかろうじて橋に残り、空中に浮いたような不安定な状態で停止している様子が克明に映し出されていました。運転手はキャビン内に閉じ込められ、身動きが取れない極めて危険な状況に陥っていました。
橋の下にはおよそ200メートルの深い谷が広がっており、もしわずかな振動や判断ミスがあれば、命にかかわる大事故となっていた可能性もありました。事故を目撃した周辺の村人たちは、後続車両が事故現場に近づかないようにと必死に走って現場に駆けつけ、その緊迫した様子はその場にいた誰かのスマートフォンによって録音され、後に公開されました。
音声にはこういった叫びが記録されています。
「止まって!進んじゃダメ!後ろの車を止めて!…電波がない、誰にも繋がらない…消防が来るまで待つしかない!」
このように、通信手段が遮断されていたため、状況はより一層深刻なものとなりました。
■ 奇跡の救助劇とその反響
幸いなことに、事故発生から約15分後、洪水被害への対応のため現地に向かっていた奇州救援隊の車両がたまたま現場を通りかかり、ただちに救助活動にあたりました。救援隊はロープとクレーンを駆使し、キャビンに閉じ込められていた運転手の救出に見事成功。この奇跡的な救出劇に、ネット上では「まるで奇跡」「中国一運の良いトラック運転手だ」といった驚きのコメントが数多く寄せられました。
運転手の証言によると、彼は22トンの鉱石を積載して外市を出発し、関東省校門市へ向かう途中でした。橋に差し掛かった瞬間、道路が沈んでいるように見え、急ブレーキをかけたものの間に合わず、トラックの前半分が崩落。その際、積載していた鉱石の重みが幸いして、車両が完全に落下することを免れたといいます。
■ 豪雨と橋崩落の背景
地元メディアの報道によると、奇州省南部および南東部では6月23日以降、記録的な大雨が続いており、その影響で土砂崩れが各地で発生。橋の崩落も、公式にはこの土砂災害が原因とされています。しかし、一部のインターネットユーザーや地元住民からは、「橋の建設品質にそもそも問題があったのではないか」との疑問の声が上がっています。
CCTV(中国中央電子台)の報道によれば、当局は6月24日午前5時01分に橋の崩落を確認し、上り線の交通をただちに規制。その後午前7時11分までには上下線ともに全面通行止めの措置がとられました。
SNS上では、橋の基礎部分が崩れて大きな空洞ができている映像も流出しており、「安全基準が本当に守られていたのか」との疑念がさらに広がっています。
■ 陽光県を襲った前代未聞の大洪水
橋の崩落と並行して、陽光県全体では未曾有の規模の豪雨と洪水が発生しており、被害は極めて深刻です。6月20日以降、陽光県の一部地域では232ミリを超える降雨量が観測され、道路が完全に水没し、多くの農地や住宅が大きな被害を受けました。
街の中心部では、洪水が大量の瓦礫を巻き込みながら流れ込み、新しくオープンしたばかりのショッピングモール「調石広場」も完全に水没。その様子は「まるで滝のように建物内に水が流れ込んでいる」と形容されるほどでした。
2階で子供服を販売していた女性は地元メディアの取材に対し、「夏物の商品を大量に仕入れたばかりだったのに、数十万元がすべて水の中に消えてしまいました」と、悔しさをにじませながら語っていました。
■ 各地で続く被害と未完の救助
県内のスタジアムや市街地の多くが浸水し、一部地域では水位が1メートルを超え、住民が屋根の上に避難する光景も見られました。特に調波街では3階にまで水が達し、多くの住民が隣の建物の4階へ避難せざるを得なかったとの証言もあります。
こうした中でも、救助活動は人的・物的資源の限界により追いついておらず、多くの家族が安否の確認すらできない状況です。
また、地元住民の話によると、県内の発電所が豪雨の水量に耐えきれず、緊急放水を行ったことが洪水被害をさらに拡大させた可能性があるとのことです。
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■ 中国南部全体に広がる異常気象とインフラの脆弱さ
陽光県だけでなく、中国南部全域で今回のモンスーンによる被害が広がっています。6月24日までに、湖南省北部および北西部では40万人以上がこの大雨の影響を受けており、各地で大規模な避難が実施されています。
さらに6月23日午後6時頃には、監縮省の乾燥地帯でも突然の豪雨が発生。鉄砲水により、太陽光発電所で作業中だった作業員たちが巻き込まれ、少なくとも5名が行方不明となっています。
また、農業分野への打撃も大きく、収穫間近だったスイカ畑が一面水没し、農家の長年の努力が無に帰してしまったと報じられました。
結びに
今回の自然災害は、単なる「天災」にとどまらず、ダムの放水、老朽化したインフラの存在、そして救助体制の脆弱性といった複数の要因が絡み合った「複合災害」と言えるでしょう。
皆様は、このような深刻な自然災害と救助現場の状況について、どのように感じましたか? そして、度重なる豪雨やインフラの脆弱さに対して、どのような思いを抱かれましたか?
ぜひ、皆様のご意見やご感想をコメント欄でお寄せください。
一日も早く被災地の皆様が元の生活に戻れることを、心よりお祈り申し上げます。
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