現代中国で深刻化する恋愛と結婚のギャップ――高額な期待と男性たちの本音とは?
皆さま、こんにちは。
本日は、近年の中国社会で注目を集めている「恋愛・結婚」に関する価値観の変化と、それに伴う深刻な社会問題について詳しくご紹介いたします。
中国のSNS上では、ある一本の動画が多くの人々の関心を集め、大きな議論を巻き起こしています。その動画の内容は、マッチングアプリやサービスを通じて知り合った、いわば「お見合い」のようなデート中に起こった、ある出来事を収めたものでした。
初対面のデートで求められた“高級バッグ”の衝撃
動画の中で、ある男女がショッピングモールで楽しそうにウィンドウショッピングをしていました。初めて顔を合わせた二人。そんな中、女性が偶然高級ブランドのバッグを見つけると、信じられないような言葉を男性に投げかけたのです。
「これ、とても素敵だと思うの。私に似合うわよね。ねえ、買ってくれない?」
そのバッグの価格は約4500元――日本円にしておよそ9万円。男性はその金額を伝え、困惑した様子を隠せません。
しかし女性はまったく動じず、「9万円なら悪くない金額だわ。こういうプレゼントは、あなたの誠実さの表れだと思うの。普通のことよ」と、まるで当然のように語ったのです。
これが初めてのデートだとは思えないやり取りに、男性は驚き、「初対面で9万円のバッグを要求するのが誠意だというのかい?」と戸惑いながら返しました。それに対し女性は、「私と結婚すれば、あなたの子供を産んであげられるのよ。それなら私を引き止めるべきじゃない?」と強気な姿勢を崩しません。
このやり取りに業を煮やした男性は、彼女をその場に残し、立ち去ってしまったのでした。
「愛」より「お金」? SNS上に広がる“ATM男性”の現実
この出来事は、中国国内で多くの男性の共感を呼びました。SNSでは「女性が男性をATMのように見ている」といった声が相次ぎ、恋愛や結婚に対する男性の意欲が失われつつあるという現実が浮き彫りになりました。
ある男性はインタビューの中でこう語っています。
「もうデートなんてしたくありません。彼女と話すたびに“口紅がなくなった”“香水が切れた”“誕生日が近い”“家賃の支払いがある”と、私に経済的な支援を求めてくる。彼女との会話が、私の人生を破滅へと導いているように感じるのです。」
このように、多くの男性が恋愛関係において“搾取されている”と感じており、結果として女性に対して距離を置くようになっているようです。
理想の結婚相手の条件とは?高すぎるハードルに男性が絶句
あるお見合いの場面では、男性が女性に「結婚相手に求める条件」を尋ねました。女性は、こう答えます。
「家と車は必須です。部屋は最低でも2部屋以上。都心に近い場所にある広さ200平米以上の家が必要。そして、年収は最低でも100万元(日本円で約2000万円)は欲しいです。」
これに対し男性はやや呆れながら、「失礼ですが、あなたの収入や学歴についても教えていただけますか?」と尋ねると、女性はあっさりと「学歴は特にありません。家も車も持っていません。月収は5000元(約10万円)くらいです」と返答しました。
彼女の口調からは、あくまで理想を語っているというよりも、現実的な前提としての“必須条件”であることがうかがえます。
しかしこのような厳しい条件に、多くの男性はプレッシャーを感じ、結婚を現実的な選択肢とは考えられなくなってしまうのです。
結婚を“人生の成功”と捉える女性たちと、その影響
さらに女性たちの中には、「結婚とは人生を豊かにするための手段」と見なしている人も少なくありません。
SNSでは、36歳独身の女性が自身の状況をこう語っています。
「私は今、36歳。結婚もしておらず、子どももいません。同級生の子どもはもう小学生。母からは“理想を下げなさい”とずっと言われ続けていましたが、それを聞き入れなかった。今では母も私を見放してしまいました。」
彼女の言葉からは、孤独感や将来への不安、そして後悔の念がにじみ出ています。
中国では、27歳までに結婚していない高学歴女性は「剩女(シェンニュ)」=“売れ残り”というレッテルを貼られることがあり、こうした社会的な圧力が今も根強く存在しています。
高額な結納金と結婚費用が若者の希望を奪う
中国の伝統的な文化の中では、結婚には男性側が“家・車・結納金”を用意するのが一般的とされています。
大都市では結納金の相場が約10万元(日本円で約200万円)、地方都市でも約6万元(約120万円)とされる中、農村部ではそれを上回る38万元(約760万円)もの高額な結納金を求められるケースもあります。
このような慣習が若い男性たちに大きな経済的負担を与え、結婚そのものを諦める要因となっているのです。
中国政府の危機感と今後の課題
人口14億人を抱える中国では、近年、出生率と婚姻率が急激に低下しており、2024年の婚姻件数はわずか610万組。これは、統計が始まった1986年以降で最も少ない数字です。
習近平国家主席は「結婚と出産の新しい文化の醸成」を呼びかけており、政府も保育支援の充実や制度改革を模索していますが、若者たちの価値観の変化には対応が追い付いていないのが現状です。
現在、中国には2億4000万人を超える独身の成人が存在し、今後は4億人にまで達するとも予想されています。
とくに農村部では男性の数が女性を大きく上回り、“結婚難民”が深刻な社会問題となっているのです。
結婚は「愛」か「打算」か?変わる価値観の中で私たちが考えるべきこと
今回ご紹介したような中国社会の現状は、一見すると極端なように思えるかもしれません。しかし、恋愛や結婚をめぐる価値観の変化、経済的な不安や理想と現実のギャップという問題は、実は私たちの身近な社会でも少なからず共通しているテーマではないでしょうか。
皆さまは、この中国の恋愛・結婚事情をどのように受け止められましたか?
ぜひ、あなたのご意見や感想をコメントでお寄せください。
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