中居正広さんをめぐる「性加害認定」報告と名誉回復への道――新たな局面に突入した騒動の全貌
元SMAPのメンバーであり、長きにわたってテレビ業界の第一線で活躍してきた中居正広さん(52)を巡る“性暴力認定”をめぐる一連の問題が、再び大きな注目を集めています。
発端は、2023年12月に報じられたフジテレビの元女性アナウンサー(以下、女性A)とのトラブルでした。この件を受けて中居さんは、2024年1月に芸能界からの引退を発表。しかしその後、第三者委員会によって“性暴力”との認定がなされたことにより、中居さんの周辺は激しく揺れ動いています。
「性暴力」認定に真っ向から反論
フジテレビが設置した第三者委員会は、2024年3月31日に調査報告書を公表。その中で中居さんの行動を、世界保健機関(WHO)の定義に照らし、《業務の延長線上で発生した性暴力》と認定しました。
これに対し中居さん側は長らく沈黙を保っていましたが、5月12日、代理人の弁護士を通じて突如反論に踏み切ります。報告書の内容に対し、「中立・公平性に著しく欠けている」と主張し、認定に至った根拠となる証拠資料の開示を強く要求しました。
その後も5月23日と30日の二度にわたり、証拠の開示を求め続けましたが、第三者委員会は6月3日に改めて「開示は差し控える」との回答を公表。これにより、中居さん側とのやりとりは事実上打ち切られた形となりました。
第三者委員会は開示を拒否した理由として、「被害女性に二次被害を与えるおそれがある」とし、これ以上の対応には応じない方針を明言しています。
触れられなかった“もう一つのセクハラ事案”
しかしながら、中居さん側の反論文では、ある重要な事案にまったく言及されていないことが明らかになっています。
それは、2021年12月18日に都内の高級ホテルで開かれた「スイートルームの会」と呼ばれる非公式の飲み会での出来事です。この場には、フジテレビの有力な番組出演者や社員、女性アナウンサー4名が出席していました。
飲み会の終盤、同席していた女性アナウンサーの一人・Q氏の証言によれば、U氏とR氏が席を外した後、中居さんとQ氏が二人きりになる時間がありました。その際、中居さんがQ氏の肩や膝、鎖骨付近に手を触れたり、顔を近づけたりするなどの行為があったというのです。
Q氏は、中居さんの機嫌を損ねないよう注意を払いながら、体を離したり手をどけたりするなどして、その場をやり過ごしたと証言しています。
これについて中居さんは否定していますが、第三者委員会は「記憶があいまいで、信憑性に欠ける」として、Q氏の証言を重視し、「セクシュアルハラスメント」と認定しています。
中居さん側の反論文では、この“もう一つの重大なハラスメント事案”については一切触れられていません。
法的リスクと巨額の損害賠償の可能性
中居さんにとって、現在直面しているのは単なる名誉の問題だけではありません。さらに大きなリスクとして浮上しているのが、巨額の損害賠償請求の可能性です。
2025年6月、フジテレビの親会社であるフジ・メディア・ホールディングスは、同局の元トップである港浩一前社長らを提訴する方針を発表しました。同社は2024年度に約201億円もの赤字を計上。その原因の一部が、中居さんの騒動に関連するスポンサー撤退であったとされており、旧経営陣に対して損害賠償請求を行う考えを明らかにしました。
この流れから、中居さん自身が今後、株主や企業から損害賠償を求められる可能性も否定できない状況となっています。その金額は、場合によっては10億円単位にのぼるとも言われています。
ある放送局関係者は、「中居さんが“性加害”を受け入れれば、当然損害賠償に直結する。かといって争えば、法廷で事実関係が明るみに出るリスクを背負う」と指摘。進退両難の“ジレンマ”にあると見られています。
被害女性の激しい否定と「恋愛関係」主張への怒り
さらに、中居さん側は「被害者女性との間に恋愛関係があった」と主張しているとの報道もありますが、女性Aはこれを完全に否定。知人に対し、「恋愛関係だったなんて絶対にありえない」「好意を持ったことなど一度もない」と、強い怒りをあらわにしていると伝えられています。
また、両者間で交わされたとされる示談書には、「今後、女性側は中居氏に刑事罰を求めない」との記載があったとも言われており、これも第三者委員会が「恋愛関係にあった」という主張を受け入れなかった根拠の一つと考えられます。
中居正広さんの未来は
中居さんは、かつて日本を代表する国民的アイドルとして絶大な人気を誇り、テレビの司会者としても確固たる地位を築いてきました。しかし、今回の一連の騒動によって、そのキャリアは大きな岐路に立たされています。
果たして、中居正広さんが名誉を回復し、再び公の場に戻ってくる日は訪れるのでしょうか。それとも、騒動の渦中で静かに姿を消すことになるのでしょうか。
現在もなお波紋を呼び続けるこの問題。中居さんの今後の動向からは、目が離せません。
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