国民的グループ 嵐、活動終了へ – ラストライブに懸念の声も、25年の軌跡を振り返る
長きにわたり日本の音楽シーンを牽引してきた国民的アイドルグループ「嵐」が、来る2026年5月31日をもってグループとしての活動に終止符を打つことを発表いたしました。5月6日、ファンクラブサイトを通じて発表されたこの一報は、多くのファンに衝撃と寂しさをもたらしています。
活動休止期間を経て、ファン待望のラストライブツアーが来春に予定されており、メンバーたちは既にその準備に取り掛かっているとのことです。
ラストライブへの期待と懸念
一部報道によれば、このラストライブに際し、かつて嵐のバックダンサーを務めた経験のあるSnow Manの目黒蓮さんやKAT-TUNのメンバーが参加する案も浮上しているようです。
この案に対し、長年のファンからは複雑な声が上がっています。目黒さんやKAT-TUNのメンバーは、ジュニア時代から嵐と深い関わりがあり、彼らの出演は大きな話題を呼ぶことは想像に難くありません。しかしながら、ただでさえ入手困難が予想されるラストライブのチケットが、他グループの人気メンバーの参加によって更なる争奪戦となることを懸念する声は少なくありません。
「嵐だけでもチケットは狭き門なのに、他の人気メンバーがバックに付いたら、まさに戦争のような状況になるのではないか」「バックダンサーをつけるとしても、今のジュニアのメンバーだけで十分ではないか」「これ以上チケットの倍率が上がってしまうと、最後のライブなのに嵐ファンが本当に気の毒だ」といった意見が一部のファンコミュニティで交わされています。
また、今年3月にファンに直接別れを告げる機会を持てなかったKAT-TUNのファンからは、「KAT-TUNのメンバーが再び揃う姿は見たいけれど、それが嵐が主役のステージである必要はない」といった複雑な思いも吐露されています。
嵐は、ラストライブについて「これまで20年以上にわたりお世話になってきた多くのスタッフの皆様と共に、その景色を作り上げていきたいと考えています」とコメントを発表しています。ファンの間で様々な意見が飛び交う中、バックダンサーの人選を含め、どのような形でラストステージが飾られるのか、今後の動向が注目されます。
ラストツアー実現の裏側とメンバーの思い
今回のラストツアー実現には、メンバーそれぞれの強い思いと、それを支えるキーマンの存在があったようです。長年嵐を取材してきた芸能リポーターの駒井千佳子氏は、SMAPやKAT-TUNといった先輩グループが、自分たちの言葉で解散を発表できなかった経緯を踏まえ、「最後はファンと一緒にきちんと幕を下ろしたいというメンバーの強い思いがあったのだろう」と分析しています。
特に、2017年に活動休止のきっかけを作った大野智さんが、今回の再始動に前向きになったことは大きな要因と言えるでしょう。一部報道では、沖縄県での事業展開に必要な資金計画などが背景にあるとも報じられています。
また、大手芸能プロの幹部は、株式会社嵐の設立時からメンバー間の意見調整に尽力してきた櫻井翔さんの功績を指摘しています。再始動に向けても、各メンバーの思いを丁寧にまとめ上げた彼のリーダーシップが、今回のラストツアー実現に大きく貢献したと言えるでしょう。
ラストツアーの運営は、STARTO ENTERTAINMENT社が広報を担うものの、ステージの演出や運営は松本潤さんを中心にメンバー自身が中心となって進めているとのことです。「最後は自分たちの手でライブを作り上げたい」という強い思いがそこには込められています。長年嵐を支えてきた藤島ジュリー景子氏も、裏方としてサポートに回っているようです。
活動終了と同時に株式会社嵐も解散するという報道もありますが、メンバーが楽曲の著作隣接権を保有していることなどを考慮すると、活動終了後も株式会社嵐は存続する可能性が高いと見られています。
ラストイヤーとなる2025年から2026年にかけては、大手広告代理店がビジネスプランを構想しており、長年嵐を起用してきたNTTドコモが解散ライブのメインスポンサーとなる可能性も報じられています。地上波での特別番組の放送も期待されており、櫻井翔さんのレギュラー番組を持つ日本テレビが有力視されています。
駒井氏は、活動休止中も約80万人のファンクラブ会員が在籍していたことを踏まえ、チケット収入だけでも巨額の収益が見込まれると予測しています。記念CDやDVD、配信、グッズなどの販売を含めると、総売上は500億円を超える可能性もあるとのことです。
「すべてはファンのために」―― その強い思いを胸に、再び集結する嵐のメンバーたちが、ラストイヤーにどのような活動を展開するのか、多くのファンが固唾をのんで見守っています。
27年の輝かしい軌跡
1999年の結成以来、27年間にわたり国民的アイドルグループとして輝かしい功績を残してきた嵐。その足跡を改めて振り返ります。
音楽セールス: 2017年まで音楽・映像作品の総合売上で5年連続1位を獲得。2010年には年間約171億6000万円という驚異的な売上を記録しました。シングル1位の通算獲得数は52作と、歴代最多を誇ります。2019年に発売されたベストアルバム「5×20 All the BEST!! 1999-2019」は、発売から約2ヶ月でダブルミリオンを達成。同年には、国際レコード産業連盟によって「2019年世界で最も売れたアルバム」として認定され、日本の歌手として初の快挙を成し遂げました。オリコン令和ランキング「作品別売上数部門」アルバムランキングでも、219万4000枚で堂々の1位を獲得しています。
ライブ: 改修前の国立競技場では、2013年まで6年連続で単独公演を開催。2015年には、デビュー17年目にして単独公演の総動員数が1000万人を突破し、史上最速記録を樹立しました。2019年に開催された20周年記念5大ドームツアー「ARASHI Anniversary Tour 5×20」は、全50公演で累計237万5000人を動員し、日本史上最多の記録を打ち立てました。
紅白歌合戦: 2009年の初出場から2019年まで11回出場。3度の大トリを務めました。2010年から5年連続でグループとして白組の司会を担当。2016年からは3年連続で相葉雅紀さん、二宮和也さん、櫻井翔さんがそれぞれ白組の司会を務めました。
レコード大賞: 2020年には「第62回日本レコード大賞」で「特別栄誉賞」を受賞。デビュー21年目にして初のレコード大賞への出演となりました。長年、グループ同士の競争を避ける方針をとってきたジャニーズ事務所(現STARTO ENTERTAINMENT)としては異例の受賞となりました。
YouTube: 公式チャンネルの登録者数は343万人を突破。公開されている国立競技場でのライブ映像「ARAFES NATIONAL STADIUM 2012」は5529万回、「ARASHI LIVE TOUR 2017-2018『untitled』」は4722万回を超える再生数を記録しています。
好きなアーティストランキング: オリコンによる「音楽ファン2万人が選ぶ 好きなアーティストランキング」では、2010年から2016年まで7年連続で総合1位を獲得。2018年には再び1位に返り咲き、史上最多となる通算8度目の首位となりました。
数々の記録と記憶を私たちに与えてくれた嵐。活動終了までの残り少ない時間の中で、彼らがどのような輝きを放つのか、ファンと共に見守りたいと思います。
コメント