2025年2月6日、韓国・ヒョンデのセダン、ヒョンデ・レイナが、中国のBYD・ソングプラスと衝突する事故が中国で発生。
この事故は、すぐにSNSで拡散、BYDの品質を疑問視する事故の1つとして中国でも大きな話題となりました。
現場の動画では、ヒョンデのセダンは、フロントバンパーが損傷、左側・前輪が傾いているだけですが、
本来頑丈であるはずのSUV・BYDソングのほうが、より酷くダメージを受けているのが分かります。
サイド側のボディーパネルは陥没し、左後部車軸は壊れ、車輪の1つは半分外れた状態で地面に横たわり、
地面には漏れ出したオイルなどの液体が、拡がっています。
ある自動車評論家が調べると、驚くべきことに、BYDソングプラスはヒュンダイレイナより400kgも車体が重いことがわかりました。
BYDは、ソングプラスがEURO NCAPで最高となる、5つ星の安全認証を取得したと自慢しています。
同社の意見が正しければ、衝突時には、もっと持ちこたえるはずでしたが、実際、より軽いヒュンダイの方が、丈夫でした。
中国のSNSには、BYDを批判するコメントが殺到。
ある人は「「国家の誇りなど忘れて、ヒュンダイに衝突事故に耐えられる車を作ってもらったらどうですか?」とコメントしました。
2月13日、河北省に住むBYDオーナーは、購入後40日も経たないうちに複数の問題が発生、車が故障し始めたという不満を共有しました。
彼は「以前乗っていたトヨタ車は、12年間20万キロ走行し、定期メンテナンス以外は修理を一切必要としなかった。」とコメント。
BYDサービスセンターでは、自分と同じように、いつも修理を待つ車が長蛇の列をなしていると話しています。
最近、BYD・ドルフィンを所有する、中国のオーナーが、驚くべき体験をSNSで共有しました。
「見て下さい、これが私の乗るBYDです。フロントガラスです。走行中にボディーから浮き上がり外れそうになるんです。
BYDは、同社の車は中国の素晴らしい技術を世界に示す誇りだと、いつも自慢しています。
まあ、確かに完全に外れてはいません。何とかガラスはまだくっついています。」と不安げに述べました。
動画を見たあるSNSユーザーは「安心してください。これはただ磁石でくっ付いているだけで、
車内が暑くなった場合、手動で換気できるドルフィンシリーズの特別な機能です。」と冗談交じりに答えました。
また他の人は「車が水没した場合、より簡単脱出できるのではないか。」と皮肉交じりに述べました。
今年2月15日、BYDが同社のEVの素晴らしさを宣伝するために行ったライブ配信中、恥ずかしい出来事が起こりました。
それは、BYDの女性プレゼンターが、同社のEV「BYDシール」の自動駐車機能を実演していたときでした。
女性は「私がキーをロックした後、BYDシールが自動で駐車し始める様子を見て下さい。
あっ!いや、、別の車が来ました、、ぶつかったらどうしよう、、、。」と慌て始めました。
駐車場に自動駐車しようとしたところ、予期せず別の黒いセダンが現れ、2台の車は衝突しそうになったのです。
前から来た黒い車セダンの運転手は、停止後も迫ってくるBYDシールが恐ろしく、懸命にクラクションを鳴らし続けました。
BYDシールには、同社が「God’s Eye」ゴッズアイ、いわいる「神の目」と呼ぶ、独自の運転支援システムを搭載したモデルです。
動画を見た視聴者の中には、BYDが信じる「神の目」は盲目で、大事な時に目を開けなかったのかと、冗談を言う人もいました。
BYDは「同社のEVは、事前に衝突を回避しました。」と述べましたが、中国のSNS上は、車がぶつかったのではないかという多くの意見で溢れました。
また、政府やBYDの圧力が無ければ、前から来た黒いセダンの運転手は、真実を明らかにしていただろうとコメントする人もいました。
2月10日、BYDは独自の運転支援システム、神の眼「ゴッズアイ」を、同社の21モデルすべてに展開することを発表しました。
現在日本国内で発売されているAtto 3、ドルフィン、シールに搭載されているのはDiPilotと名付けられたレベル2のADAS。
つまり、アダプティブクルーズコントロールとレーンキープです。
他方で、神の眼「ゴッズアイ」システムは、いわゆるレベル2+といわれており、3つのグレードに分類されています。
しかし、BYDや吉利汽車と並ぶ、中国最大級の民営自動車メーカー長城汽車(グレート・ウォール・モーター)のの魏建軍ぎ けんぐん会長は、
自動運転は単なるカタログを飾る言葉ではなく、実際のテストで証明するべきだと忠告しました。
実際、中国のBYDのオーナーたちは、現在のBYDの運転支援機能について、SNSで多くの懸念を表明しています。
車線中央維持機能が突然機能しなくなり、車が勝手に横滑りすると不満を言う人もいれば、
速度制限の検出が不正確で、頻繁にスピード違反の警告が表示されると言う人もいます。
また、自動ブレーキシステムが必要なときに作動せず、ドライバーが介入せざるを得ないという報告もあります。
480万人のフォロワーを持つ、中国で人気の自動車評論家が、BYDを批判する動画を公開しました。
Billionで480万人のフォロワーを持つ人気の自動車評論家が、pydを批判する動画を投稿した。
彼は「BYDは基本的な運転支援機能を、ユーザーに対し高度な自動運転として売り込んでいますが、
それは、顧客にBYDを購入させるために、4Gネットワークを5Gだと嘘をついているようなものです。
中国で10万元(日本円で約210万円)以下の車種には、1つのカメラとミリ波レーダーしかなく、
ハードウェアとアルゴリズムの信頼性が、上級車種ほど十分ではありません。
メーカーが自動運転システムと名付ければ、そこには明確な責任が伴います。冗談では済まされません。
実際、BYDのエントリーレベルのモデルに搭載される運転支援機能では、ドライバーは常に注意を払い、必要に応じて制御する必要があります。
BYDがハイレベルの自動運転システムだと販売し、ドライバーが誤った考えを持った場合、
何か問題が起きた場合、誰が責任を取るのでしょうか。」と述べています。
また今回、BYDが全車に神の眼「God’s Eye」システムを搭載し、 高度な運転支援システムを積んでも「
値上げゼロ」にするとした発表は、以前、同社の車を購入した顧客の不満を引き起こしました。
BYDが、この記者会見を開いてからわずか数日後、モデルチェンジ前に購入した顧客たちが団結、
同社は、自慢げに発表したPRによって、史上最大級の危機に直面しています。
そして、同社の顧客から、BYDを批判する多くの苦情が中国のオンラインで出回り始めました。
彼らは、BYDのセールスマンが、すぐれた新しいモデルが発売されることを知りながら古いモデルを販売したとして非難しています。
同社は、製品のアップデートに関するフォーメーションを計画しており、消費税を誤解させるのに慣れています。
ある顧客は、新しいモデルの発表により、古いモデルの価値が平均で約20000元(日本円で約42万円)も低下したと指摘しています。
さらに今回、消費者苦情プラットフォームで団結した、中国の5万人ものグループによる公式声明には、
BYDに対する補償要求の内容も含まれています。
中国メディアの発表では、2月10日から16日、わずか6日の間に、BYDは4500件を超える苦情を受けたという事です。
あるBYDの所有者は「私はBYDから車を購入し、まだ6か月しか経っていませんが、その価値はすでに下がっています。
今後数年間、新しいスマート運転機能にアクセスすることはできません。私たちが苦労して稼いだお金でこれらの電気開発に支えられているのに、取り残されていると言われたら、市場の反応は、これらの決定により、新規顧客と既存顧客を別々に扱うことで支店の評判が損なわれていることを示唆しています。さらに、スマート運転のアップグレードに対する不満もあります。
中国では、BYDを所有する多くの人々が、同社の車の品質は期待外れだったと苦情を述べています。
ボディーの鋼板が薄く腐食しやすい、電子部品の品質が低い、塗装が剥がれやすい、
プラグインハイブリッドモデルのエンジン音はうるさく、EVモデルはバッテリーの性能が悪いなど多くの問題が報告されています。
中国の車業界関係者は、2025年は中国の自動車市場にとってこれまでで、最も競争の激しい年になると予想しています。
BYDが今年、神の眼「ゴッズアイ」運転支援システムを、同社すべての車にを搭載するという決定は、
価格戦争を激化させ、より多くの市場シェアを獲得するための動きと見られています。
同じく、テスラやシャオペンなど、その他の電気自動車会社も、さらなる低価格化の他、期間限定の保険補助金や、
頭金ゼロのなどのプロモーションを展開しており、市場はさらに競争が激しくなるとしています。
さらに、日本と中国の合弁会社である広汽トヨタ自動車、広汽本田汽車の他、いわいる中国自動車メーカー「ビッグ5」、
第一汽車、東風汽車、上海汽車、長安汽車、チェリー・オートモービルも期間限定の購入キャンペーンを導入していますが、
これら様々なプロモーションにもかかわらず、中国の消費者は慎重な姿勢を保っています。
業界レポートによると、2025年1月の中国の乗用車販売台数は前年比12.1%減の180万台で、
前月比で販売台数は約32%減少しました。
公式データーによると、中国は2009年から2022年まで2000億ドル(日本円で約4兆2000億円)以上もの補助金を電気自動車に投入、
しかし2023年に補助金が終了すると、在庫が積み上がったことで電気自動車の中国・国内需要は劇的に減速しました。
その為、中国のEVメーカーは、在庫を減らすために海外市場に目を向け、より低価格の車両を模索しています。
BYDは、1月16日に韓国でブランド発表イベントを開催、同社は6つの正規の現地ディーラーと提携し、
ソウルや済州島などの主要都市に15のショールームと11のサービスセンターを開設する計画を発表。
そしてBYDは同時に、同社のコンパクトSUV「アット3」の受注を開始しました。
BYD「アット3」の日本価格は450万円からとなっていますが、韓国の販売価格は、ベースモデルで3100万ウォン(日本円で約310万円)とかなり安く設定されています。
さらにこの価格は、ヒョンデやキアの同クラスのモデルよりも約20%安く、韓国の顧客も注目しているようで、
地元メディアによれば、1か月も経たないうちにBYDは、1000台以上の「アット3」の注文を受けたとしています。
この台数は、2024年、日本で販売されたBYDの総販売台数、2223台の約半分にあたります。
危機感を覚えたヒョンデとキアは、すぐに同社のEVの価格を300万ウォンから500万ウォン(日本円で30から50万円)値下げ、
韓国の自動車業界は、電気自動車をめぐる前例のない価格戦争に突入しています。
また韓国BMWとメルセデスベンツコリアも、さまざまな値引きを導入しているといいます。
韓国国内では自国の産業を守るため、国産EVへの補助金を、増やすよう世論の圧力がかかっています。
ヒョンデ自動車グループの研究所所長キム・ディオン氏は、韓国のEVメーカーに直接補助金を支給することを提案。
キム氏は、中国政府は長い間、自国のEV企業に財政支援を行い、優位性を与えているだけだと指摘しました。
さらに韓国では、インターネットを介して他の車両やインフラと情報を共有・通信できる、
コネクテッドカーのセキュリティに関する懸念が再浮上しています。
インターネットに接続し、内部および外部のデバイスとデータを共有できるコネクテッドカーは、
一般的になりつつありますが、韓国では、このような技術に関する法的枠組みがまだ不完全であるため、
これらの車が、ユーザーの個人データを漏洩するのではないかと懸念する人もいます
BYDやジーリーなどの中国の自動車メーカーは、中国のAI開発企業DeepSeek(ディープシークと提携、より高度な機能を車両に統合しています。
しかし、ディープシークの理由は、安全性を理由にすでに複数の国で禁止されています。
韓国最大の中古車プラットフォーム「K Car」の調査によると、韓国の消費者は、一般的に中国の自動車ブランドに懐疑的であり、
BYDのような中国ブランドついて、肯定的に回答したのはわずか11.6%であり、半数以上の51.8%が否定的な見解を示しました。
回答者の62.2%が製品の品質と耐久性に疑問を呈し、さらに54.4%が自動車の安全性について懸念していると答えました。
今回の動画では、中国で話題となっているBYDの品質問題や安全性能、
そして韓国市場におけるBYDの戦略について詳しく解説しました。
動画の中で紹介した様々な事例や専門家の意見を踏まえ、あなたはどう思いましたか?
BYDの急速な市場拡大は、自動車業界にどのような影響を与えるのでしょうか?
また、あなたはBYDというメーカー、そして中国の自動車産業の未来について、どのように考えますか?
最後に、この記事を読んでくださった方々に感謝申し上げます。
また次回の記事でお会いしましょう!
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